新潮文庫<br> 最後の伝令

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新潮文庫
最後の伝令

  • 著者名:筒井康隆【著】
  • 価格 ¥616(本体¥560)
  • 新潮社(2014/05発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101171357

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内容説明

肝硬変末期、全身が衰弱しつつある窓際会社員の体内で情報細胞の最後の旅が始まった。行く先々で様々な情報を蓄えつつ、めざすは延髄末端の十二番街。臓器という都市の混乱を緊迫した筆致で描く表題作ほか、現実と虚構の融合を語る「瀕死の舞台」。桜の木が切々と陳述する「樹木法廷に立つ」等、SF回帰と熱狂的に迎えられ、“死”をめぐる文学的野心作とも激賞された傑作14編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アマニョッキ

53
このなかの「公衆排尿協会」という作品がすこぶる好きでして、定期的に読みたくなります。わたくしも全く同じような感覚を持っておりまして、これを読むと吐きたいほどの苦しみに襲われつつ、最後には出産を凌ぐほどの快感を味わえるというなんとも不思議な脳内麻薬ズバズバ作品なのであります。Don't think.Feel!2021/01/27

さっとる◎

44
これもまた傑作揃いな14の短編集。何が書いてあっても「筒井作」なだけですごいなと思ってしまうのだが、それはやっぱりすごいものを書いているからなんであろうな(当たり前か笑)。しかも珍しく最後の短編「瀕死の舞台」で号泣っていう(^^;泣けて笑えて悲しみ諦め恐怖する、死。無意識に潜む人間の驕りに気付きスッと背筋が冷える。理解不能なものや理不尽に直面した時のシュールな行動、それだけでは終わらず陥る狂気。不思議な余韻の「タマゴアゲハのいる里」が何気に好き。井戸時計店で、また「脱走と追跡のサンバ」が読みたくなった。2017/05/10

メタボン

35
☆☆☆☆ 文学的な作品も多いが、そこはやっぱり筒井康隆。ナンセンス、ドタバタな世界観。夏休みの宿題の作文で北極に行くという妄想を綴る「北極王」、不思議な生物がいる「タマゴアゲハのいる里」、死ぬまでの時間を示す「近づいてくる時計」、9回死を迎える「九死虫」、驚愕のスカトロ風景「公衆排尿協会」、なかなか性交できずムラムラが昂まる「あのふたり様子が変」、肝硬変の身体の中を年になぞらえる「最後の伝令」、飛び降り自殺した後も徘徊する「二度死んだ少年の記録」。寝たきり老人の役として俳優人生を全うする「瀕死の舞台」。2022/12/22

ねりわさび

14
ドタバタサスペンスと半自伝的エッセイと実験小説が混濁し、勢いが大きく上下する筒井康隆氏らしい短編集。生理的にヒリヒリくる題材でも、お笑いテイストを隠し味として作品内に組み込んでおく技は流石でした。2018/08/22

tama

12
自本 本棚発掘で 筒井ファンですが「あれ。これも持ってたか」状態。平成8年の元日発行。こういう日付は珍しくないかな?断筆から3年後。断筆前の作品で構成。これもやるぞ、こんなんもどないだ!的作品ばかり。「♪ハあ~えー。哀れ。」のたうち回って笑った。しかし、作品は樹木としての論理性から外れることなくまっしぐらというのが凄い。脱走と追跡のサンバの井戸時計店が懐かしい!最後の「瀕死の舞台」は、こんな死に方が出来たら最高だなという一番のモデル。2017/01/01

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