内容説明
酒びたりになるほかはないほどに己れを追い詰めて、創作に励む姿を刻んだ「酒みずく」。晴れがましいことの嫌いだった母のただひとつの思い出を綴る「語る事なし」。“曲軒”の真骨頂をしめす「直木三十五賞『辞退のこと』」。作家的信念を力強く述べた「小説の効用」など。エッセイのほかに、対談・インタビューをまじえて周五郎の人生観・文学観を総覧する。『小説の効用・青べか日記』改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ27
20
山本氏のエッセイや、青春修行時代の日記、対談インタビューを通じ、山本文学総括の一冊。没後40年余を経てなお、「人生教本」として読まれ続ける氏を解明、拠って立つ心髄を浮き上がらせている。 戦後、文学賞のすべてを辞退した唯一の作家である。平和への道を歩み始めた国民は生きる気力を燃え立たせんと文字、ドラマ、愛と涙を求めた。其処で繰り広げられた純文学VS大衆文学。この本の前半でも明らかに分かる大物批判の舌鋒の激しさを感じ取れる。命の吐息のように言葉を紡ぐには酒が欠かせなかった。死ぬ2年前のあり様は凄絶の一語。2014/01/19
タイガー@津軽衆
4
通算80冊目、12月4冊目。山本周五郎のエッセイやインタビューなどが載っているもの。トイレで少しずつ読んでました。今まで読んできた小説の裏側や、ネタとしてつかったものが知れて楽しめました。まだまだ読んでないものも沢山あるので、少しずつ読み進めていきます。2017/12/17
りんご
3
周五郎さんの小説以外のものです。なぜ、大衆小説を書くのか、とか珍しい文芸論などの載ってます。 2022/06/22
望月一彦
1
吉田図書館2020/02/09
naturaltomato
0
山周コレクターズアイテム。文庫本そろえていて、絶版を手に入れるの苦労したと思う。