人でなしの恋

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人でなしの恋

  • 著者名:江戸川乱歩【著】
  • 価格 ¥330(本体¥300)
  • 東京創元社(2012/04発売)
  • ポイント 3pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488401122

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内容説明

探偵小説に精神分析を導入する試みの先鞭をつけた作品「疑惑」、ヒロインの訴えるような語り口が印象的で、再三映像化、劇化されている「人でなしの恋」等、大正十四年から十五年にかけて発表された十編を収録。初出時の挿絵全点を付した江戸川乱歩短編集成第三弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

166
★★★☆☆ 10編が収められた短編集。 どれもそこそこ味わい深いが、『踊る一寸法師』の狂気が1番印象に残るかな。 表題作の『ひとでなしの恋』が2番目。 『一人二役』や『接吻』のような少しコミカルな作品も割と好き。 他では『木馬は廻る』の哀愁漂う感じも良かった。確かに30歳も離れた女の子に片想いするオヤジは飲み屋でたまに見かける。2020/04/01

96
「百面相役者」「一人二役」「疑惑」「接吻」「踊る一寸法師」「覆面の舞踏者」「灰神楽」「モノグラム」「人でなしの恋」「木馬は廻る」の10篇が収録されている。どれも比較的あまり知られていない作品だが、「人でなしの恋」だけは羽田美智子、阿部寛主演で映画化されたものを観たことがあるので、原作が読めて嬉しかった。でも実は原作のほうがずっと短く、あっさりしているので、個人的には珍しく映画のほうが印象が良く感じた。しかし大正時代の独特なムードが満載で、読みながらインテリアや建物の外観、服装など想像するのも楽しかった。2013/07/04

夜間飛行

93
踊る一寸法師…いつしか私自身が一寸法師になっている。小突き回され、転がされ、頭から酒樽に浸けられ、美人玉乗りお花さんの尻で窒息させられそうになる。作者はわざと子供騙しの言葉を使い、魔術師の如く読者を操るのだ。月夜に踊り狂う一寸法師は、私自身の影に思える。人でなしの恋…夜ごと夫が蔵へ通う。跡をつけた妻は外から男女の睦言を聞くが、待てど暮らせど夫の他に誰も出てこない。こうした異常なシチュエーションを描く一人称体は、くらくらさせる中毒性を帯びている。語り手の心中で何かが大きく膨らんでいくのを感じ、夢中で読んだ。2017/03/14

aquamarine

89
十の短編集。やはり皆さまお勧めの「人でなしの恋」はとても良かった。他にも女の強さや男の純粋さ(弱さ)を押し出しているものが多かった気がします。「百面相役者」の悪い癖の部分も好きですし、しっかり本格の「灰神楽」も楽しかった。父の死の真相を探る「疑惑」も好みです。でも一番インパクトがあったのは「踊る一寸法師」のラストの影法師。こんなにめちゃくちゃなのに身を揉むほど痛々しく切ないのです。「木馬は回る」はこの短さに走馬灯のように一人の人生を追ったようでこれも良かった。読後読む自註自解が今回もとても楽しかったです。2018/01/11

ehirano1

88
標題作について。旦那がひたすら可哀そう且つ、気の毒に思いました。一生懸命努力したんだよ、旦那は。なのにそういうことするとどうなるかは想像できるでしょうに、とは思いますが、妻としての屈辱は計り知れず、感情的にならないなんてありえません・・・もう悲劇としか言いようがありません。しかし、双方共に他の選択肢はなかったのか、と問うのは酷ですよね・・・。2023/08/29

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