内容説明
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学ぶこととは? 働くこととは? 生きる基礎を問いかけられて学生たちは議論し、考え、その思索を書きつけ交換し、ふたたび考える。受験勉強をくぐりぬけてきた若者たちが、はじめて学ぶことと出会い、大学を〈自分づくり〉の仕事場にしていった授業の記録。
目次
I ……〈学び〉について 学ぶということ/学力ということ/教えるということII……〈知〉について 知をもたらすものは経験か、学問か?III……〈労働〉について 遍歴しつつ学ぶ職人たち 十九世紀までの熟練工 補章 われらの時代にとってのウィリアム・モリス リスポンス 学生たちの〈仕事〉の発見 討論 テーラー・システムをめぐって IV……〈時間〉について 時間の節約こそ幸福への道!?-『モモ』が問いかけるものV……〈書くことと〉について リスポンスII 学生たちの〈学び〉の発見 討論I おもしろい講義の“空虚さ” 討論II “ためすと試験”ということば
感想・レビュー
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雨野
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図書館でたまたまみつけたがなかなか良書。古代ギリシャの「学問=暇」観から始まり、それに疑問を唱えるような形で労働と学問の結びつきを語る。体系的な本ではないので、知識目的で読むことはおすすめできない。ただ、その裏側でマルクス的なもの、フーコー的なものがうごめいている感触がある。人間の疎外が労働だけでなく教育の場にも及んでいるという見方から、疎外の意味がつかめたりしたのはよかった。「ゆとり教育」もこの発想に基づいていたのだろうが、いかに理想と乖離していたかがわかる。その原因を考えてみるのも良いだろう。2013/07/25