内容説明
〃太平洋戦争は回避できた〃と主張する大学助教授・西条秀彦のもとに、シミュレーション・ゲームに挑戦してほしいとの要請があった。二・二六事件、太平洋戦争などが起こった激動の昭和にタイム・スリップ! 首相となった西条は、陸軍の不信をかって、いきなり暗殺されてしまった……。戦争を阻止することは可能か? 小説の枠を超えた感動興奮の仮想現実小説(ヴァーチャル・リアリティ・ノベル)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西澤 隆
5
最近よく語られる「まるで戦前のようだ」という話に四半世紀前に読んだとある話をふと思い出した。タイトルも著者も覚えていないのに、探して再読できるのだからありがたい時代だなあと思う。視覚だけでなく、匂いも手触りも、殺されるときの衝撃に至るまで実感できるVRゲームセンターのオープニングイベントに招かれた「太平洋戦争開戦は避けられた」と主張する学者が体験する色々は結局のところ「エラい人に騙されて」ではなく市民の熱が戦争を選ばせるのだということを伝える。だから脊髄反射じゃなく考えなきゃいかんとあらためてそう思うのだ2015/03/07
三毛招き
0
架空戦記ではない。/歴史という大河の流れを変えることの難しさ。政治家や軍人の一人二人を交換して出来るものではない。架空戦記を書いた著者だからできる、安易な歴史改変に対する批判としての一面も。2011/06/12