内容説明
“ソクラテスになったマーク・トウェイン”。老人と若者との対話形式で、近代社会を支える人間存在を、自らの欲望で動く「機械」にすぎないと断言するパラドックス的人間論。作者晩年の代表作でペシミズムの影が現れた哲学的な作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
帽子を編みます
58
表題の答え人間=機械である。この作品は冷笑的で皮肉に満ちています、そして人間の真実を述べているように思いました。キリスト教では人間は神の似姿という教えがあるので問題作なのでしょう。しかし、一寸の虫にも五分の魂の国で育った身としては、頷く部分が多いのです。第二章の自己承認欲求が行動の原理であることなど現代では大いに納得出来ます。老人と若者の問答、若者の問いかけを容赦なく叩き打ち据えて人間が優れたモノでなく外部刺激で自動操縦される機械であることを納得させていきます。ただ訓練で善き反応にもなるのは救いでしょう。2024/12/07
kei
15
「人間とは」というテーマが老人と若者の対話によって語られていく、というより老人が若者に「人間=機械」であり人間をつき動かす強制力とは自分自身の心の満足であることという自説を展開していく。個人的には途中のアリの生態が面白く読めました。アリはすごい。 2019/11/25
twinsun
9
承認請求が価値観に連合していることは人間が社会的存在であることを意味し、要するにこれはアドラーも同じようなことを述べているのだが、人間は正義からも道徳からも愛からも強制されたからではなく自分で選んで行動していることを言い方はひねくれているが述べているのであろう。シェイクピアが何も生み出さず人間を切り取り映しとってきただけだというようなことはエンデも述べているがこれがフランスで生み出されたならもっと素晴らしいものだったという著者の根拠のない主張は承知の上と思われ笑いを誘った。2023/09/23
スイ
7
老人と若者の対話形式で、これでもかと人間をぶった斬る。 でも、斬って斬って斬った先にある言葉がこれなのさ。 「自分自身のために正しいことを行え、そうすれば隣人たちもかならずその結果として生じる恩恵をうけることになる」 欺瞞や美辞麗句を取り除いた箱の底に、小さな光を残してくれたマーク・トウェイン。 肩の重みも視界の曇りもすっきりしたような読後感だった。 また読み返したい。2018/01/26
ボン
1
人はすべて精神的な満足を手にいれるため行動している。人は外部からの影響からのみ形成される。2012/10/01
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