文春文庫<br> 葡萄と郷愁

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文春文庫
葡萄と郷愁

  • 著者名:宮本輝
  • 価格 ¥481(本体¥438)
  • 文藝春秋(2013/04発売)
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  • ISBN:9784167348106
  • NDC分類:913.6

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内容説明

1985年10月17日、同じ日の同じ時刻の東京とブダペスト。見えない絆で結ばれた二人の大学生、沢木純子とホルヴァート・アーギ。人生の岐路に立つ二人は、せまりくる決断の時に、どのような選択をするのだろう……。愛とは? 本当のしあわせとは? 幸福への願いに揺れる、若い女性の“生と性”をあたたかく見つめる名篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

85
『螢川・泥の河』で感動と深い余韻をくれた宮本輝だが、JJで連載された作品があると聞き、想像がつかず読んでみた。時代はバブル景気目前、幼馴染の恋人に後ろ髪引かれつつ将来有望な別男性のプロポーズを受ける…なんて、余りに私とは違いすぎて、と思いきや、共感の渦に巻き込まれる。漠然とした迷い、断続的な葛藤…決断までの時間はいつだって限られている。食べずにいても、葡萄の瑞々しさが失われてしまうように。ブダペストのアーギの章と交互に語られるのも秀逸。仮面の下の「卑しさ」は、酒浸りの父への愛のような、大切なものに思える。2021/09/06

ケイ

77
ハンガリーと東京に住む21歳の女子大生は、ともにその日にかかってくる電話に応えて人生における重大な決心をしなければならない。二人の話は全く交差しないので、人生の岐路を電話で告げることのみが共通点。そして結論は全く反対のものとなる。ハンガリーの話がはるかに興味が持て、地下鉄の二人の話を更に読みたいと思う。それにひきかえ、東京の話がつまらないのは主人公の純子の魅了が全く見えてこないからだ。そもそも外交官夫人と言う言葉が陳腐。輝氏の描く女性は、あまりに男性任せで魅力に欠けることがある2014/08/27

巨峰

43
80年代半ばの日本と自由の制限された共産主義政権下ハンガリーで暮らす2人の女子大生。大きな岐路にたった2人の決断を、わずか6時間の出来事とともに交互に描く。大学在学中に、外務官僚の若者に結婚を迫られたりとそんなことあるのかと思うけど、そうか30年前ならあったのか。随分時がながれたものですね2015/07/08

背番号10@せばてん。

28
1995年1月28日読了。あらすじはもちろん、忘却の彼方。(2020年12月17日入力)1995/01/28

24
日本で生まれ育った自由な女と、ハンガリー生まれの自由に憧れる女の淡い決断。二人とも文化も違って世界も違うただし同じ人間であり、欲望もある。その後の未来はわからないが未来の二人の決断の差は全く違う心の能力にある。最後にワインを飲んで泥酔する、ここでもう、ハンガリー人との差が出たな。2014/08/20

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