内容説明
花のお江戸は桜のころ、小悪党の留吉と熊吉がうまい話を耳にした。呉服の大店があつらえた値打ちもの、黄金のそろばんと不動像。ケチなことはもうやめた。これを盗み出して足を洗おう。小悪党のかなしさで、強盗まではちょっとできないふたり。そこでひらめいた一世一代の大芝居。ひとりは店へ、ひとりは寺へ入り込み、信用を得てから盗み出そうという魂胆。首尾や、いかに。時は過ぎて二十年。あのふたりが、いま語り合う-。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かず
11
コソ泥家業に身をやつす留吉と熊吉の二人が、偶然、茶屋での会話を耳にします。「越後屋には金のそろばんがあり、お寺の金の不動明王像は主人が寄進したものだそうだ。」それを聴いた二人は、それぞれが越後屋とお寺に入り込み、信用させて、ゆくゆくは盗み出し、それを元手に足を洗うということを発案します。越後屋に潜入した留吉は善人を装い、人々の信頼を勝ち得ていきます。結末は、さて、読んでのお楽しみ。2018/06/10
甲斐祐貴
0
子ども向けにはいいかもしれません。 最後のエッセイも心に響きます。2018/07/19