講談社文芸文庫<br> 哀しき父 椎の若葉

個数:1
紙書籍版価格
¥1,485
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

講談社文芸文庫
哀しき父 椎の若葉

  • 著者名:葛西善蔵【著】
  • 価格 ¥1,089(本体¥990)
  • 講談社(2014/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061963023

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

「生活の破産、人間の破産、そこから僕の芸術生活が始まる」と記した葛西善蔵は、大正末期から昭和初年へかけての純文学の象徴であった。文学の為にはすべてを犠牲にする特異無類の生活態度で、哀愁と飄逸を漂わせた凄絶苛烈な作品を描いた。処女作「哀しき父」、出世作「子をつれて」、絶筆「忌明」のほか「馬糞石」「蠢く者」「湖畔手記」など代表作15篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

55
「子をつれて」のみ課題のため読む。貧乏に悩まされながらも金策を妻に任せ、自らはまっとうな努力をしない(ように見える)主人公。破滅型の私小説という感じで、この状況を嗜虐的に楽しんでいるのではないかという疑いさえ持ってしまう。葛西が女性(母親)であればこの題名はつけていないだろうという確信もあり、ちょっと好きになれそうにない作家。2017/02/05

ステビア

17
まさに破滅型私小説という感じ。全編呪詛のようだ。しばらくこれ系はいいな…。2014/09/09

シロナガススイカ

10
「神経病だけは──気狂いだけは困る。」/生活の破産、人間の破産。/『子をつれて』を目当てに。……だったはずなのだが、途中から全部アル中の日記になってきて、その印象に埋もれてしまった。いやぁ、総じて実に暗い。家族を捨て、酒を飲み、若い娘に暴力を振るうという無茶苦茶な生活。そんな短編が時系列でならんで、連作長編みたくなっている。どこまでが事実か知らないが、身を削っているのは確かだろう。これを芸術としては感受できず、言ってしまえば苦痛に近かったのだが、そのしんどさを、彼の人生の重みゆえとしてもいいかもしれない。2025/08/08

qwer0987

9
演出もあるだろうが、私小説作家のイメージ通り著者の生活は破綻しており、倫理的にどうよ?と言いたくなる内実が描かれている。郷里に妻子を残しながら、金をまともに稼げず仕送りもできず、愛人との間に子をなす。それでいて愛人に対し暴君のようにふるまうから見下げ果てたものだ。全般的に散漫な感じの作品が多いが、『子をつれて』の八方ふさがりな雰囲気や、『蠢く者』の醜い口論、『椎の若葉』の自己憐憫あふれる概観には登場人物の情けない生活っぷりが描かれて心に残る。だが個人的には、私小説から離れた『馬糞石』の方を面白く読んだ2025/08/21

ジュリ(村上)

9
弘前の文学館のようなところで、当地出身で壮絶な生き方をした作家がいると聞き読んでみた。想像とは異なり、とぼけたところがあったり、観光地の宿に中期滞在したりと、貧窮の中にも意外な要素が見られるのに驚いた。しかも妻の他におせいを囲ったり…(作中ではおせいを追っ払いたいような素振りもあるが)。同じ主題が多かったのはややきつかった。音楽でいえば、パンクを想像して聴いてみたら実際は英国プログレフォークだった感じかな(違うか)。2023/09/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/86025
  • ご注意事項

最近チェックした商品