内容説明
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銀河鉄道は何処へ走る。賢治と妹、死者の魂をのせて…妹としの魂の在り処を求め、夜汽車に乗り込んだ、賢治の心の旅を、降霊感覚で描く佳篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
81
美しくて幻想的な世界が広がっていました。死の香りが漂うダークな雰囲気と官能的な色気に酔わされます。残酷だけれども光が差し込むような物語が魅力的ですね。2018/01/09
小夜風
27
【所蔵】再読。「銀河電燈譜」と「夏日和」の2作。これも長野さんが描く賢治作品。「銀河電燈譜」の方は、賢治が乗った汽車で相席になる人々の話と、交互に語られていく鯉川の家を巡る話が複雑に絡まりあい、誰が誰だか何度読んでも混乱しました。人物相関図を書きながら読んでみましたが、まだ完成させられず(苦笑)。賢治が何かとても大切なことを思い出せないように、読み手ももどかしい思いをさせられます。「夏日和」はその解答編になるようで結局なっていないのですが、俊夫と賢治の妹トシが重なるようで、何だか切ない気持ちになりました。2017/09/25
Yuri
15
宮沢賢治オマージュ。表題作『銀河電燈譜』と『夏日和』の2編。登場人物や時系列がややこしいので良く分からなくなりながらも、敢えて整理せずに世界観を味わいながら読みました。ふわふわとした雰囲気の中にも寂寥感、退廃的な気配が見え隠れして素敵。2022/08/19
凪織
13
読むのに時間がかかってしまい、曲がり歪んだ時系列、嘘と誠の混ざった語りもあって大混乱。ただ、この作品はそういうこんがらがったところを楽しむ物語だったともとれる、ような。鮮やかで艶やかな紅と妖しく儚い白のコントラストが眩い。表題作は雪に音を吸い込まれたような寂しい静けさを覚えた。『夏日和』もさんさんと暑い季節の話ながら、ふっと鳥肌が立つような涼しさを感じた。あれだけ淫らなことをしているのに、表現が下品ではないのがすごい。また時間を見つけて読み返したい一作。2017/01/01
冬見
11
表題作のみ。死者の魂をのせて走る列車。挿入された長台詞の部分は、すこしぞっとする昔話のよう。曖昧で不安定。途中で集中力が切れてしまって、後半はちゃんと読めなかった。またいつか読み直そう。2016/07/01