やまねこ文庫<br> 白菜のなぞ

個数:1
紙書籍版価格
¥1,650
  • 電子書籍
  • Reader

やまねこ文庫
白菜のなぞ

  • 著者名:板倉聖宣
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 仮説社(1994/11発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784773501131
  • NDC分類:626.51

ファイル: /

内容説明

日本人はいつ頃から白菜を食べていたのでしょう?いかにも昔から日本にありそうな感じがする野菜,白菜のことを調べていくと,次つぎと面白いことがわかってきました。身近な野菜にかくされた〈謎〉をときながら,「種の概念」と「日本史と世界史とのつながり」までもが見えてくる科学読み物。

★★ もくじ ★★
第1話 なぞのはじまり
第2話 白菜が日本にやってきたころ
第3話 桜島大根や二十日大根はカブかダイコンか
第4話 愛知ハクサイの成功と日清・日露の戦争
第5話 松島でとれたハクサイのタネ
第6話 ハクサイとまざる花粉のなぞ
第7話 白菜のタネとかぶのタネ
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。

目次

第1話 なぞのはじまり
第2話 白菜が日本にやってきたころ
第3話 桜島大根や二十日大根はカブかダイコンか
第4話 愛知ハクサイの成功と日清・日露の戦争
第5話 松島でとれたハクサイのタネ
第6話 ハクサイとまざる花粉のなぞ
第7話 白菜のタネとかぶのタネ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

42
白菜は、実は明治8年に中国から日本にもたらされた新しい野菜であった。日本での栽培はうまくゆかず、種が国内で供給できたのは、大正も半分以上終わってから。という信じられない事実が明らかにされる。まさか! しかし問題はその先。なぜ近くの国の野菜が、近代になるまで日本に来なかったのか? これこそが本当のなぞ。本書で解き明かされる。とにかく驚くほどの努力が傾けられた結果、わたしたちは白菜を食べられるのである。先人に感謝。2017/04/01

usanosuke

17
百数十頁の薄い本であるが、すごい本である。古くから中国にあった白菜が、何故明治維新以後にしか日本に伝わらなかったのかという謎を解くことが、白菜の歴史を調べるきっかけになったそうだ。当時の農業研究者たちは白菜作りに奮闘するが、なかなか結球しない。そして、その原因が同じ種の植物の花粉が混ざってしまうからだということが分かってくるのだが、いつの間にか白菜伝来の話が生物の種についての話へと広がっていく。一つの素朴な疑問から始まる歴史と科学の融合した極上ミステリーとしても読める作品だ。意外と専門的な科学(続く)⇒2018/09/24

rigmarole

16
印象度B+。一言で言うと、著者が白菜を題材にして「種」の概念についての理解を深めた、その過程を追体験させるという内容。そこに書かれた知識や調査過程を知ることよりも、著者の好奇心・探求心に感化される方が、この本を読む意義なのではないでしょうか。数々の仮説や読者に推測を促す質問に、彼の仮説実験授業の考えが色濃く反映されています。本書の他の大きな特徴は、白菜に焦点を当てつつ、理科的な知識(植物分類学、農学)と歴史的な知識(技術史、白菜導入に伴う当時の社会事情)を融合させていること。まさに総合学習です。2024/05/27

うがり

14
「古典部と米澤穂信」出てきた本。そしてこれは確かにミステリーだ。白菜が日本で栽培され始めたのは明治時代になってから。何故明治時代なのか?どうやって栽培したのか?を追っていくのだが、多分世の中にある様々なものにもこのような不思議が溢れているんだろうなと思う。言われてみたら当たり前のことでも、いざ調べてみると色んな発見があるし、再確認することもある。もしほんの少しでも何かがズレていたら、今のように白菜が多く消費されることもなく、形が全然違うものなっていたかもしれない。そう思うと不思議だな。2019/05/19

南北

12
冬の野菜として欠かせない白菜は、明治時代に入ってきたのですが、なぜ明治時代なのか?それ以前は日本に入ってこなかったのか?という疑問から解き明かしています。実は白菜の種を植えても、一見異なっているように見える同じ「種」の植物と交雑してしまうので、しだいに白菜とは違う植物になってしまうのです。そこから「種」とは何か?「品種」とどう違うのか?というように次々と疑問が広がっていく内容になっています。仮設実験授業を提唱した板倉聖宣らしく「仮説」を建てて「実験」をするという展開なので、楽しく読むことができました。2019/01/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/108626
  • ご注意事項

最近チェックした商品