- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
村落的な風景から普遍的な律令国家の世界への転換期にあった万葉の時代。人々は何を思い、感じて歌を詠んだのか。千年の時を超えて、万葉集をリアルに読む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
10
「折口信夫は文学の発生を神の呪言に求め、自らの発生論を信仰起源説と呼んでいる。たとえば信仰が誤りなく伝えられるには信仰がなければならないと考えたからだ。この論の魅力は二つの点にある。一つは、神とは個人を超える社会的な幻想だから、結局文学の発生が社会的なものとして捉えられている点…もう一つは、神とは自然や社会への恐れ、未知への恐れが生む幻想でもあるから、文学は心の極度の緊張した状態から生まれるものである点である…折口は、神の呪言が伝えられるなかで様式が成立することを述べている。その様式の起源が文芸の発生」2018/05/14
双海(ふたみ)
4
幣について考えてみると万葉の世界がよくわかる。古代人にとって旅とは自分にかかわりない神々のいる異郷を行くものであった。旅は非常に恐ろしいものだったに違いない。だから、その神に手向けという呪術をし、歌を詠んだ。現代人の「旅」の感覚とは大きく異なる。2013/04/01
がっち
2
古代人にとっての歌と旅。歌というのはよい。今はありふれたものであるが、昔にとっては時代的に不可欠な呪術的な、感情的なものであったに違いない。万葉集を読んでみたいが、きっかけになる本かもしれない。2013/06/12
ユウユウ
1
個々の歌の解説鑑賞よりはそのような歌や歌人が成立した背景などに重点がある。相聞歌や挽歌についての定義などが傾聴に値する。
miyuki
0
6月中旬。2016/06/17