内容説明
ある夜、仏教評論家ひろさちやは、バーで酔客・吉野にからまれた。「人は死んだら、どこに行くのか?」しつこい吉野に、ひろは講演の案内を渡す。翌日の講演会場には、遠路はるばるやってきた吉野の姿があった。じつは、かわいい孫に先立たれ、非嘆に暮れていたのである。いま解き明かされる、お浄土の世界!死ぬこと、生きることの真の意味は?「お浄土はわたしたちのふるさとです」ひろの話にやがて吉野の悲しみは…。
目次
1 死後の世界
2 遊於娑婆世界
3 娑婆世界の修行とは
4 浄土を信じる
5 ふるさと浄土
ひろさちやのまんだら漫歩録―あわれな金持ち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かず
17
浄土というと日本人は極楽浄土のことを想像しますが、実は他にもあります。本著ではそれはさておき、とし、極楽浄土を取り上げ「浄土とは」という疑問に答えています。禅宗は「今を大切に生きる」という教えですが、対して浄土教ではなぜ死後の世界を語るのか。これを捉えて「南無阿弥陀仏とは『死にたい』と言っているのと同じだ」と語り信者獲得している某日蓮宗系新興宗教がありますが、そんな妄言はさておき、本著では死後の世界を理想郷のように語り、希望を持たせることの効能を語ります。もっとも、私は現世が浄土だと思っておりますが・・・2019/06/08
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