内容説明
めぐみは平凡な主婦として隠やかな日々を送っていた。
ある夜、夫が古い石の器を持って帰宅。
富士川のほとりで捨ったというその器には「常世虫」と彫られていた。
その時から彼女は奇怪な夢や超常現象に悩まされ始める。
そしてある日、夫の体から巨大な緑色の虫が這い出るのを目撃してしまった。
深まる謎は、古代の俗信仰「常世神」へと遡ってゆく…。
日本人の心の底に眠る恐怖を鮮烈なイメージで呼び起こす秀作。
高橋克彦氏日く「私にとって忘れられない品作」。
第1回日本ホラー小説大賞佳作作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
69
なんだか意味不明でした。2016/02/25
みっぴー
59
第一回日本ホラー大賞佳作。相変わらず心理描写が秀逸すぎ。『蟲』にまつわる古代信仰を基点として話が展開されます。偶然夫が拾ってきた石がきっかけで、主人公の周りで次々異変が。怖いというより、胸がざわめくような不穏な雰囲気を纏った作品。読者に媚びず、感情を抑えたような静謐な筆はこびが、作品に安定感を与えている。蟲に喰われていたのは誰の何であったのか、解釈を読み手に委ねる終わり方は、好き嫌いが別れそう。ホラーにも色々あるんだなあと感慨深く感じました。2017/12/09
ちゃとら
48
断捨離をしていて発掘。啓蟄の頃、夫が仕事で訪れた富士川で拾ってきた器から『常世蟲』があらわれる。それから夫婦に奇怪な事件が起こりはじめる。妻のめぐみは、太秦で亡くなった祖母に連れられて行った「蟲送り」の夢を見るようになり、泰河勝も登場。その土地に纏わる怨念かと思ったが、話はあまり膨らまずに終了。坂東眞砂子にしては軽めな作品だった。2024/03/23
じゅんぢ
41
第一回日本ホラー小説大賞佳作。主人公が徐々に追い詰められていくのが丁寧に書かれていて面白かった。このクオリティなら佳作ではなくて、大賞とまでいかなくても長編賞ぐらい与えても良かったと思う。2019/03/23
あっちゃん
28
恐いというよりは、不可解といった感じ!ラストの方までアクションがおこるわけでもなく、なんか変…といった雰囲気のまま話が進んで行く!本編とは関係ないけど、「友人の配偶者は友人の付属品のようなもの」とは、こんな人のドコが良かったの?と心の奥で思ってた事を良く言い表してるなぁ(笑)2016/06/02
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