内容説明
世界論としての〈詩学〉、出来事性の〈詩学〉への試み「言語物質論」を軸に、プルースト、ロラン・バルト、モーツァルト、ランボー、アルトー、サティ、ジャコメッティをめぐって奏でる音楽圏のかなたの星座に浮かびあがる〈架空のオペラ〉。全篇を照らしだし、思考の〈場〉をさしつらぬく〈幸福〉の激しい光!
目次
1 音楽の肉体(薔薇の一滴―カルロス・クライバー頌 『フィガロの結婚』と様々なる衣裳―あるいは魂の単純な形式について)
2 海の真理―言語物質論(洗面台の前で、世界の前に立つ 手、あなたがあなたの近くにあるように 割れたガラスを通して、《世界、夜》 不生不滅、《肉体、夜》 ほか)
3 幸福から真理へ(ランボーからのIN‐VOICE 秋の光―あるいは聖なる《激怒》 明かりに照らされた休息―もうひとつのセクシュアリティ 幸福から真理へ―ランボーの速度と通過)
4 光の変奏(歯の聖体拝領―ナジャへの手紙 存在と無のあいだ―ヴェネチアのサルトル アルトーの〈耳〉 ジャコメッティ的凝視 ロラン・バルト、その不在への変奏 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kthyk
19
「音楽とはもっと構築的なものだった。それはむしろ建築に似ていた。」と書かれた冒頭、あとがきにはこの書物が何に似ているかと尋ねられたら、迷うことなく「楽しみと日々」とある。読み始めたが、正直読み取れてはいない。しかし、以下は納得。オペラの元帥夫人は〈真正の薔薇〉であり〈ウィーン〉、その終わりを匂い立つ快楽に変える世界。サティは〈パリ〉という空間のある種の傾斜と不可分。その音楽は丘からセーヌへの下降散歩。〈ヴエネツィア〉の秘密の真理は〈太陽〉の不在、しかし、運河で囲まれた水辺の鏡像世界は太陽の〈光のオペラ〉。2025/04/16
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