内容説明
新人看護婦の高山瑠美子は、女子大生の解剖結果に疑問を抱いた。警察は「妊娠を苦にしての服毒自殺」として処理したのだが、胃液の中の青酸濃度が低すぎることに着目した瑠美子は、他殺の線もあるのではないかと疑ったのだ。瑠美子は単身捜査を始めるが、自殺とされた現場はドア・チェーンの掛かった完全な密室で外部からの出入りは不可能だった…(「勘違い」より)。医師でもある著者が専門知識を駆使して挑む難事件の数々。看護婦瑠美子の推理が冴える!
目次
亡者のご挨拶―老女狂乱の真相<br/>南京虫の刺し傷―注射針完全犯罪の恐怖<br/>民間式人工授精―冷凍精子の使用法<br/>勘違い―酸性空洞の神秘<br/>不思議な失踪―もうひとつの指紋<br/>延髄斬り奇譚―脳ミソ脱落の謎