内容説明
13世紀スイス盟約者団の成立から流血の歴史をたどり、理想の平和郷スイスの現実を分析して新しい歴史学の先駆と評価され、中世史家の現代史として、中世から現代スイスまでを一望のもとにとらえる。
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目次
第1章 日本人とスイス
第2章 アルプスの峠とスイスの誕生
第3章 連邦制
第4章 直接民主政
第5章 永世中立
第6章 「軍国スイス」か?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
6
スイスという国の成り立ちを概説。西ヨーロッパの中央部のアルプス山脈に位置し、併合を狙うオーストリアに対抗するために、「カントン」と呼ばれる領邦が盟約を結んだのが、スイスの起源だという。そのカントンや、その構成要素であるゲマインデ(町や村)に根付く強固な地域分権主義は正に国是であり、近隣諸国の民族国家化に対応するための連邦国家もなかなか進まなかったほど。そして有名な中立主義も、やはり近隣の大国(オーストリアやフランスなど)と言語が共通する住民を抱えて、”草刈り場”になる事を防ぐための内向きの事情だった。2021/07/16
KAZOO
1
スイスの歴史をじっくりと勉強したことがない人にはかなり、スイスに対してのイメージが変わる本です。列強の間に小さな国を、しかも産業もない国を維持していくためにはいかに大変なことであったかをしらしめてくれる本です。今のスイスからは想像もできない話が出てきます。2013/02/17