内容説明
父の愛人・カオルの店で過ごす時間は、19歳の万穂子にとって唯一くつろげる時であった。またそれは、父と秘密を共有することも意味していた。19歳、27歳、32歳――自らの愛の局面で、知らず知らずのうちに誰かの切り札(ジョーカー)を演じてしまう万穂子。そのことはいつも誰かを救ったが、どこかで誰かを、時には自分をも傷つけた――祈るような人間へのいとおしみをクールにそして暖かく描く、著者初の連作長編小説。
目次
ジョーカー・19歳
ジョーカー・27歳
ジョーカー・32歳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIKETOM
7
まあまあ面白かったかな。ジョーカー万穂子の19歳・27歳・32歳の時点の話、全三話。(ジョーカーって言葉に特段の意味はない)母親は俗物的価値観しか持たない。姉は母親のいいなり。母親はこんな姉だけを溺愛。父親は愛人を作って家族を顧みない。という環境で万穂子の性格が微妙に歪んでしまう。ま、それでも親離れした姉が意外に能力を発揮しだすところなんかはなかなか。ただまあ、〆の第三話がやや調子こいた設定なのが残念なところ。ラストは、生涯未婚でも子供がいれば人生の忘れ物をしなくて済むといった女たちの代弁でもあるのかな。2020/07/22
☆カジュ☆
1
こじらせ系ですな。2015/05/12
devil
0
万穂子の周りは、別れが早過ぎるかな?でも結局、切り札は達也だったような気がしました。2017/01/15
霜月什緑
0
どの登場人物も世俗離れし過ぎていて、感情移入は出来なかったが、毒親に振り回されるジョーカー・万穂子が不憫でした。彼女自身が招いた結果も多々ありますが……2013/06/17
あやぴ
0
。。。