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内容説明
二千年前、広大な版図を擁した軍事大国ローマと小さな通商国家カルタゴ。その勤勉さと商才で未曾有の経済的繁栄を遂げたカルタゴは、なぜローマによって壊滅させられたのか?その答えを求め、著者は地中海へと旅立った。「通商国家」カルタゴを描写することで、「経済大国」日本の行く末を暗示した話題の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
19
単行本を中学時代に読んだな〜(笑)共和制ローマ最大の戦争であるポエニ戦争の話。軽く流れをつかむにはいい本かな(笑)作者自信が実際にカルタゴのあった地にいったり象を実際に引っ張り出したり他の本とは違う感じは楽しめたかな(笑)この本を父親の本棚から引っ張り出さなければローマ史に関連する本を読んだりすることはなかったかもしれなかったから結構重要な本だな〜(笑)強烈に印象に残ってる(笑)2013/06/16
TMHR ODR
3
★×3。海洋通商国家カルタゴを日本に重ねて教訓にしましょう、という本。歴史本と呼ぶにはエッセイ臭いけど、なるほどとは思わされ面白い。要は海洋通商国家カルタゴとその人々は、ただただ船舶技術と商売に特化しすぎて真逆の農業軍事国家ローマに滅ぼされてしまったと。なにごともバランスが大事。しかしローマが最後の第三次ポエニ戦争で提示した和平条件は、この流れで読むとエグい。2016/06/12
HoneyBear
3
著者の訃報に接し、昔読んだ本を手にとる。ローマと並ぶ通商・経済大国であり、ハンニバルの活躍でローマを窮地に追い込んだカルタゴだが、リーダーシップ不在のなかローマの侵攻を許し、殺戮・略奪を受け・破壊され尽くす。焼け跡には何重にも塩が撒かれたと。復讐がローマで煽られていることにカルタゴの指導者たちは対処できず、今で言う「民族浄化」の悲劇を招いてしまう。カルタゴは文化的な貢献を遺していないと言う。富める者がパトロンになって文化を育てる仕組みが育たなかったのか、あるいは文化の痕跡まで消し去られたのか。2014/01/10
くまきん
2
塩野七生氏の著作でも知られるアルプス越えの「ハンニバル」で有名なカルタゴだけれど、実は商才に長けた重商国家だった。ローマとの戦争に負けて、膨大な賠償金を背負っても、数年後には繰り越し払いしようかというような驚異的な復興をとげたカルタゴをローマは許せなかった...。カルタゴとローマを大戦後の日本とアメリカに投影した著作。2014/08/12
oko1977
2
紀元前前に経済で富を築いたカルタゴがなぜローマに滅ぼされたのか?その事実を顧みて歴史に学ぶことの大切さを語った本。富を築いたのはローマも同じだが、富を築くことしか行わなかったカルタゴは羨望から嫉妬、嫉妬から恐怖、恐怖から憎悪を抱かれるようになり、戦争に勝ったはずのローマより戦後栄えたカルタゴはやがてまた戦いを仕掛けてくるに違いないと危惧されるようになり、徹底的に滅ぼされてしまう。同じ時代のギリシア人も富を築いたが、彼らは哲学等の文化でローマをも支配するようになり、後世にも語りづがれている。一方、カルタゴは2009/08/09