内容説明
日本が英・米・豪、そして中国と開戦。英語と漢語、漢字までも敵性語となったとしたら!? 偶然送信されてきた、間違いファクシミリが引き起こす大乱戦珍騒動。曖昧なファッション用語が招くフツーの生活のコンラン、ドタバタ……。氾濫する外国語。使用禁止ことわざ。スピーチ。あらすじ。手垢のついた言い回し。廃語辞典。討論。手紙などなど。ことばと言葉にたいする徹底究明的パスティーシュ小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
89
言葉について様々な視点から斬りこんで遊び倒す、言葉遊び短編小説集。面白かったのは、「ことばの戦争」。現代で、英米豪と戦争になり英語が敵性語になった時の親子の会話。ロックが叫音楽、ヘビメタは重金属風、パンクロックバンドは破裂風叫音楽隊に。これだけでも大変なのに、さらに中国とも開戦!漢語も敵性語に。大和言葉で会社の会議。ウィスキーは湯気冷やし麦酒、宣伝部は売りの司。関西弁で乗り切る宣伝部員、発言が全部和歌になる部長、古文をごちゃ混ぜにしてニュアンスだけ伝えてくる社長など、各人の個性にも大いに笑った。2016/05/13
ちさと
26
1993年発行。若干の古くささは否めない。言葉が大好きな清水さんの訳がわからない1冊。著者である彼自身も、「言葉に関するおもしろ話をずるずる書き続けていたらそれが1冊分になってしまった」と言っている。古いからこそ逆に言葉の変遷も楽しめるし、言葉遊びや辞書いじめも面白く、読んでいると言語生活が豊かになっていく感覚がある。あとがきを書かれてる宮部みゆきさんも言語感覚がするどい作家さん。文章がうまい人は一様に、言葉に関する興味関心がすこぶる高い。当たり前と言えば当たり前だけど、好きこそものの上手なれ、か。2025/08/22
あーさん☆来年も!断捨離!約8000冊をメルカリでちびちび売り出し中!(`・ω・´)ゞ
26
高校で読んだ本。
RED FOX
13
日本語にまつわる短編集。「ファクシミリ大乱戦」の果てしない阿呆っぷり。「手紙の書き方」の教養あふれる阿呆っぷり。圧巻はドラマにもなった「言葉の戦争2」・・・個人的にはこの頃のチミズヨチノリは天才の名をほしいままにしてたピークだと思ってます。2015/01/29
Kaz
11
言葉についての切り口が面白い。普段何気なく使っている「言葉」を、深く掘り下げたなかなかの秀作です。2015/04/16
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