内容説明
平凡で色あせた日常に光のように射し込んで来た「恋」に酔う18歳の2人は、やがておとずれる中年期や倦怠のことなど思いもよらないことだった――「いつも2人で」。結婚目前の私、見合いを始める愛子。いくつもの諦めを胸にアトランタへと旅立った――「風と共に去りぬ」。その他「ローマの休日」「卒業」など12の名画の名場面、名セリフをモチーフにした、映画より心おどらせ、胸つまらせる、私たちの恋愛小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
85
映画をモチーフにして作られた小説。映画の結末とは違うオチが新鮮に感じられる。小説なんだけど…女たちはほんとに愛だの恋だのと人生の基本はそれみたいな生き方だな…なんて思いながら、自分の若い頃もそうだったのかも…と一人ツッコミ。結婚前から女房役に成り下がってはいけない。恋人でいないと…って言うのはわかるわ~。都合のいい女はそれだけだものね。林さんの本を2冊続けて読んで女心をたらふく味わった感じです。2014/03/11
ココ
6
ちょっと読みたい時に、林真理子の短編は、最適だ。「卒業」「慕情」目次には、夢いっぱいの映画の名前が並ぶが、小説の中は、かっこ悪い女性ばかり。高級なハムやサラミの並ぶショーケースから「これが好きだ」と魚肉ソーセージを選ぶ男性が登場する。この現実感がたまらない。私のすぐ近くにもこんな男がいる。私のお気に入りのロイヤルコペンハーゲンのお皿に、魚肉ソーセージをのせて食べている我が伴侶の横顔を見ながら、「また『ローマの休日』を観たい。」と、心の中で叫ぶ。来年も、夢いっぱい、ときめく小説を沢山読みたいと思う。2015/12/30
へたれのけい
4
「ジャケ買い」ならぬ「タイトル買い」。見事に失敗でした。2015/09/11
なほみ
0
名作映画を絡めた恋愛ものの短編集。どう映画と絡めるんだろうとわくわくしながら読めました。2016/08/13