徳間文庫 地獄坂の闇を撃て（電子復刻版）

著者名：勝目梓【著】

徳間書店（2016/04発売）

• ISBN：9784195872802

内容説明

東京で会社を倒産させた沖田隆明は、落魄の身で故郷の炭坑町を訪れた。二十二年前、坑内で事故死した父と共にここで働いていたのだ。その町で偶然出会った女が末原和枝だった。和枝は驚くべき事実を語った。沖田の父の死は仕組まれたもので、手を下したのは和枝の父・弘吉。労組リーダーだった沖田の父は、当時の労務課長らにはめられたのだ、と。凄惨な復讐劇の始まりだった。バイオレンス長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[HANA]

敗残の身で故郷へと帰った男。そこで男は偶然父が殺されたという事実を知る。さらには男の転落の原因に彼らが絡んでいるのも知り…。復讐劇というのはどこか我々の琴線に触れる部分がある。こち亀に、耐えて耐えて最後に連中を…という台詞があるように、受けた被害が悲惨なほど、最後の復讐が派手であればあるほど、我々のカタルシスは開放される。本書はその意味では大満足。仇の行方を調する前半部で溜めて溜めて、後半それが大爆発。仇をきっちり一人づつ方に嵌めていきます。こういった正当な復讐譚、ありそうで無いので読んでいて大満足です。

2024/01/13