内容説明
少年のようないたずら心を海軍育ちのスマートなスタイルで包み、鋭い作家の眼光で世相の変化を見据え、達意の文章で食と言葉の履歴を語る。「北斗星」に試乗してみる好奇心やパーティ挨拶のユーモアにも磨きがかかり、ハワイ生活報告に昭和天皇への想いまでバラエティに富む珠玉のエッセイ集。
目次
私の履歴書
「北斗星1号」試乗記
磯田光一納骨式挨拶
広津桃子さん追悼
形見代りの二冊
アメリカの法律事務所における挨拶
「樹座」20周年〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイキ
3
阿川さんの学生時代の友人の中には『アララギ』に短歌を頻繁に投稿し掲載もされてゐた大濱嚴比古といふ人がゐたさうで、その人の影響から自身も「嚴比古は閉店早々のビヤホールよりジョッキを三つかつぱらひ来ぬ」といふ歌を作り、『アララギ』へ投稿してみたところ、土屋文明から直々に「かかるものが歌になると思ひ給ふや」と批判されてしまひ、歌人・阿川弘之は結局その一首によつて挫折してしまつたさうです。この批判は的を得たものでありますが、文明自身「かかるもの」を少なからず残してゐるのは如何なものでせうね。2019/02/28
くま
1
大正、昭和の偉大な作家が、日常にわさわさ出てきて興味深い。旧仮名づかいと戦中から平成までの幅広いラインナップ、ぼやき口調と隅々まで味わい深い。 断然欠席、読んでる最中にタイトルに笑った。阿川佐和子はなる程、この人の娘だけど、まだまだ及びませんな2009/09/30
1977年から
0
1994年