内容説明
藤谷建設の会長綾子は、夫の死後堅実に社業を担ってきた。先妻の子和正は畑違いの国文学者で、その年若い妻尚子は、一族の青年秋弘との罪の子を妊娠している。素知らぬ顔の和正は、秋弘に源氏物語に関するある調査を命じるが、驚くべき秘密が判明しかかって……。愛執の悲劇を、王朝物語に託す推理長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森オサム
31
約40年前の作品。色々感じましたが、まず作者と言えば幻想的、耽美的な歴史ミステリーのイメージが有りますが(舞台は国内、国外とも)、本作は片鱗は感じる物のまだライトな点。そして発表当時のノベルズブーム(2時間ドラマの原作的な作風)に乗った物で有るなぁ、と言う事。推理作家協会賞受賞年の発売ですしね。翌年直木賞を受賞し、更に独特な作風へと濃くなって行ったのかも知れません。でも本作もベタなタイトルに騙されてはいけません、十分変態的です。特に主人公はヤバい、ラストの行動は意味が分かりません。やっぱり凄かったです。2024/09/03
まりも
1
うん、まあたしかにタイトルのとおり、光源氏殺人事件ではありました……源氏物語も、関わっているといえば関わっている。舞台は半分くらい阿蘇です。個人情報保護の意識が薄いのは昭和という時代のせいか、それとも主人公秋弘が特殊なのか。単なる旅行代理店に勤めてる人ってだけなのに、ホテルの名簿を調べようとするのよくない。2024/08/24
こうてん
1
この人の持つ「人間の狂気」みたいなものが薄くて物足りない。二時間ドラマにありそうな設定と展開に途中ちょっと飽きが・・・・・・。2013/07/03
チェ
1
最初は源氏の原文とかしか出てこなくて、そのうちどこが光源氏殺害事件なんやろうと思ってましたが、最後のどんでん返しで納得してしまいました! どこか狂気じみたところは、この先生の特徴なのでしょうか。また読んでみたいです。2009/06/20