内容説明
母と別れた父親の“果たせぬ夢”であった慶応幼稚舎に入学。しかし母は芸者屋の主人でありみずから左褄もとっていたので、家業や住所は“秘匿”する習性がついていた。幼時・少年時に住んだ土地を訪ねるに始まり、時代を写し自らの来しかたを凝視して読売文学賞を受賞した表題作と短篇の名品と呼ぶべき「しあわせ」を併録した鏤骨の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoyogi kazuo
1
自伝的小説『かくてありけり』は、物心つくまで両親と同居したことがなく、その後も孤独な子供時代、青春時代を送った一人の作家が、その複雑な生い立ちと前半生を回想する。召集されてゆく息子に向って「夏夫ッ、死ぬんじゃないのよ」と叫ぶ母の姿が尊い。1990年、著者79歳のときに出た小説『しあわせ』は、小島信夫の『うるわしき日々』を彷彿とさせる老人文学で素晴らしい。妻の痴呆症だけを抱えた小島とは違い、妻だけでなく自身の闘病記(肺癌)にもなっている。2022/01/24
geromichi
1
私小説とエッセイの境はわかりませんが、良い作品だと思いました。2016/09/19
tajidanslemetro
0
老いるということ2021/03/31
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