文春文庫<br> 遠い国からの殺人者

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文春文庫
遠い国からの殺人者

  • 著者名:笹倉明
  • 価格 ¥478(本体¥435)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167537029
  • NDC分類:913.6

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内容説明

「男の人が倒れている」110番通報の女の声には妙ななまりがあった──。マンションで死んでいたのは大学を中退した無職の若い男。姿をくらましたのは同居していた外国人ストリップ・ダンサー。彼女の身に一体何が起こったのか。彼女はなぜ真の素性を偽らなければならなかったのか。「じゃぱゆきさん」と呼ばれた外国人女性たち、経済大国ニッポンの底辺に生きる彼女たちの姿が、法廷での関係者の供述から次第に明らかにされていく。感動の直木賞受賞作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

182
第101回(1989年)直木賞。 新宿で起きた殺人事件を追いながら、 当時のじゃぱゆきさんの 境遇を主題に、 哀しい人生を骨太に描く。 木山浩の屑さ加減が半端ではなく、 逆に 彼女の憐れさを誘う… 憧れの国 日本で シエラが 味わった 過酷な現実、そして そこにつけ込む ハイエナのような男たち… 著者の強い怒りのようなものが 静かに 伝わり、読書の速度を加速させていく… そんな作品だった。 2018/06/22

hit4papa

61
法廷ものです。二部構成で、一部は、海外から出稼ぎに来ているストリップ・ショーの踊り子が、愛人を刺殺し逃亡した事件が、二部は、犯人の女性の無実を勝ち取ろうと奮闘する弁護士の姿が描かれます。前半で犯行の事実は確定しており、法廷で事件の背景を明らかにしていく展開です。ひと頃話題になった”じゃぱゆき”さんがテーマで、来日して過酷な仕事に従事せざるを得ない、悲惨な状況を見ることになります。法的劇そのものよりは、日本人の持つ差別的な意識が浮き彫りとなり、考えさせられました。顛末については、サプライズが弱いと感じます。2022/09/29

JUN

21
話の展開とか、文体とか、あまり自分には馴染めなかった。確かに捉えたテーマとしては、こんな世界もあるのだろうという感じはしたが・・・再読はないかな?2016/05/17

きのこ

19
直木賞44/170 じゃぱゆきさん。あれほど明晰な弁護士があんな見落としをするなんて。その1点が残念だけど、面白かった。2017/05/11

剛腕伝説

14
比国から来たジャパゆきのシエラ。アーミーナイフを持ち危害を加えようとした恋人を果物ナイフで刺殺してしまう。弁護士は正当防衛を主張し、裁判で争う。テンポも良く構成も鮮やかで一気に読み進むことが出来た。但し違和感が数点。1/8白人の比国人がアメリカ人に成りすましていたのは無理がある。証人がシエラの事を「被告人は・・」と言う。普通、名前で証言するのでは?友人の岩上がシエラに面会するけど、血縁も何もない人間が未決の殺人犯に面会できるのかなぁ?何故早い便で逃走しなかったのか?謎の言葉ジューゴって何?etc.2021/06/10

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