内容説明
幼い心に異性への淡い憧れを芽生えさせて逝った美しい女性、異郷で謎の死を遂げる老亡命者――。独立した挿話はいつしか絡みあい、一枚のタピスリを織りあげてゆく。昭和初期から一九七〇年代まで、世界各地を舞台に展開する野心的連作第一集。
目次
亡命者たち
雪の前雪のあと
女たちの館
落葉のなか
霧の聖(サント)マリ
北海のほとり
ロザリーという女
坂の下の家
鉄橋
帰ってきた人
燕のくる町
海のむこうからの手紙
暮れ方の光景
風雪
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
秀玉
18
良い感想が多いし、読まなければと半分ちかくまできたが断念。起承転結が無いと感じる。これが文学作品、高尚なエリートが描く文体なのだろうか。文は上手いと感じる。教養もあるだろう。ただ日常に近い内容が続くときつい。ふと伊豆の踊子はどうなのだろうと思ってしまう。映画は見たが小説は読んでいない。こんな感じなのだろうか。明治、大正、みなこんな文体に芸術性を感じていたのだろうか。私の教養が足りないのか。悪くはない、しかし読み進める気持ちがわかない。出足、パリ発同盟とか電通とかあれは時代背景を感じてもらう電文だったのか。2025/08/12
はりーさん
7
欧州時代と幼年期時代とが交互に短編が綴られている。作品自体は30年以上前のものではあるが、今読んでも全く違和感を感じることはなかった。これは作品の土台がしっかりしているのと、文章が綺麗だからだろう。辻邦生さんの作品は今作が初だったのだが、これからは他の作品も手にとってみたい。2015/05/06
まりこ
5
海のむこうからの手紙の篠ちゃんの話が印象的。鉄橋も面白かった。1話短編でも面白かったが、オムニバスのようにも読める。それぞれの色番号を横に並べても1つのストーリーになるように作ったらしく、凄いなと思った。2019/02/12
りーよ
4
平凡とは言いがたいが、大きな事件があるわけでもない時の流れの中で、人々の生活、人生や土地の光景を美しく描き出していく。主人公の日本での幼少期とヨーロッパでの旅が交互に描かれているが、短編としても長編としても読める面白い作品。2020/02/13
金木犀
0
1992.2初版2009/05/31
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