内容説明
古くから日本人に愛された望郷歌、若々しい匂いやかな恋歌、機才頓智が人気の歌、四季の風趣を愛で静かな情感をたたえた歌。王朝びとの風流、和歌の雅びを心ゆくまで堪能できる百人一首。私たち、現代人にも通じる感懐をうまく掬いあげ、千年を歌いつがれてきた魅力の本質を、古典に造詣の深い著者が、新鮮な視点から、分りやすく、縦横無尽に綴る――。百人一首にドラマチックな魅力を加えた、会心の入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
80
百人一首の魅力をとことん堪能できる1冊でした。現代に通いる感慨をすくいだし、そのたおやかさの本質を感じます。古典にも強いおせいさんだからこその味方で紐解く百人一首のドラマに引き込まれました。2018/05/31
takaC
70
これはこれで外せない一冊だな。歌の説明は少なく詠み人の説明がメイン。俵万智ですら暗記していないという全首丸暗記をしている自分でも詠み人は30首ほどしか覚えていないのだが、この本を何回か読めば100人覚えられるかもしれないな。2014/03/06
アマニョッキ
66
中学生のころいつもこの本を鞄に入れていました。わたしを百人一首好きにしてくれたのは織田正吉先生の「絢爛たる暗号」とこの作品です。田辺聖子さん本当にありがとうございました。今ごろはきっと大好きなスヌーピーに囲まれて、おせいさんスマイルをふりまいてあることでしょう。2019/06/10
aika
44
いつの世も変わらない恋や老い、愛する人と別離の苦悩など、百歌それぞれの人生模様が面白いです。気持ちや情景が絵のように浮かんでくるすごく魅力的な大和言葉で彩られた歌たちに、親しみを感じられました。選者の藤原定家と式子内親王の慕情など、歌詠みの生涯の解説も楽しめました。18「住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ」68「心にも あらで うき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな」77「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ」など、好きな歌がいくつもできました。2018/07/09
reo
39
遠い昔、学校時代の古文の時間は、睡眠か内職の時間だった。おせいさんが古文の先生だったら、もう少し興味をもって勉強したかもと思うのはないものねだりで、時すでに遅し。彼女は戦前の女学校出であるが、このころの学校出の方々の知識の豊富さには舌を巻きます。この本では、彼女特有の軽妙な語り口で、それぞれ名歌を面白可笑しく、ユーモアたっぷりに紹介しており、その歌が詠まれた時代背景とか、詠み人の生い立ちにも触れているので、千年前に生きた王朝歌人たちが、より身近に感じられます。この本も永久保存版ですな。誠に結構な一冊です。2017/01/12
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