岩波文庫<br> 九鬼周造随筆集

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岩波文庫
九鬼周造随筆集

  • 著者名:九鬼周造/菅野昭正
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 岩波書店(2014/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003314623

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内容説明

『「いき」の構造』で知られる哲学者九鬼周造(一八八八‐一九四一)は,また情趣に満ちた味わい深い随筆の書き手でもあった.敬愛していた岡倉天心の思い出と母への慕情とが,幼い日の回想のうちに美しく綴られた「根岸」「岡倉覚三氏の思い出」,偶然論を語りながら人生の無常に思いをはせる「青海波」など,二四篇を精選した.

目次

目  次

 根  岸

 藍碧の岸の思い出

 外来語所感

 伝統と進取

 偶然の産んだ駄洒落

 祇園の枝垂桜

 書斎漫筆

 青 海 波

 偶然と運命

 飛騨の大杉

 一高時代の旧友

 東京と京都

 自分の苗字

 故浜田総長の思出

 回想のアンリ・ベルクソン

 岩下壮一君の思出

 音 と 匂

 小唄のレコード

 上 高 地

 かれいの贈物

 秋

 秋の我が家

 ある夜の夢

 岡倉覚三氏の思出
   解  説(菅 野 昭 正)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

123
著者については「「いき」の構造」を書いたことしか知らなかった。ベルグソンの思い出を書いた随筆から分かるように、世界的に活動していたのだ。哲学者の文章は理屈っぽく、難解なことが多いが、ここに収めれた文章は瑞々しく、美しい。ヨーロッパの哲学に傾倒しながら、日本の文化にも惹かれていたようで、そのような態度は「小唄のレコード」などを読むとよく分かる。知性と感性、西洋と東洋がこの人物の中で、自然に融け合っている気がした。この本の白眉は「青海波」。哲学と詩が融合されて、青い波のイメージが脳裏に刻まれる。2016/09/26

壱萬参仟縁

50
九鬼周造は、岡倉天心の『茶の本』と『東洋の理想』は、滞欧中に耽読したという(16頁)。九鬼先生は、日本語を欧米の進入に対して防禦することを現代日本人の課題の一つと考えたいという(27頁)。民衆は賢明なところもあるが愚昧なところもある(28頁)。日本人は1日も早く西洋崇拝を根柢から断絶すべきである(31頁)。私(九鬼先生)は体験と読書と思索とに私のもつ時間の全部を捧げつくさなくてはならない(44頁)。九鬼先生にとって大切な書は、エピクテトスの『遺訓』という(61頁)。2016/08/09

Y

32
「九鬼周造といえば京都」という先入観があったのだけど、本人も語る通りそういうわけではないらしい。東京での思い出や今は亡き友人や師への想いが真っすぐな文章で綴られるのだけど、気の利いたユーモアとたっぷりのうるおいのある美しい文章だと思った。哲学者なので頭の中で色々なことを考えているのかと思っていたら、思索だけでなく沢山の体験をして色んな角度から思索をして行きたいと考えているのがすごく意外だった。好感を持ったのは、「祇園の枝垂桜」がすごく好き。春の夜の桜の美しさに心の隅々まで照らされたような心地がした。2017/05/21

Tenouji

16
良いエッセイを探していて、九鬼周造…どうかな、と思い図書館で手に取って、借りて読んでみたが、抜群に良かったw。『「いき」の構造』とは、全く違う印象。日本文化の味わいもあり、かつ、やや硬めで論理的なのに絵画的な印象もある。むぅ~、日本文学も、いいねぇ。2019/05/09

キョートマン

11
文体も内容もどこかおしゃれでかっこいい。持ちネタの九鬼のクッキーの話も面白い。2021/07/11

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