講談社文芸文庫<br> 兵隊宿

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講談社文芸文庫
兵隊宿

  • 著者名:竹西寛子【著】
  • 価格 ¥979(本体¥890)
  • 講談社(2011/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061961364

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内容説明

乗船直前、自分の家に泊った3人の出征将校の姿に、未知の大人たちの世界を知り微妙に変わる少年の心の襞。川端康成文学賞受賞「兵隊宿」と、「少年の島」「流線的」「緋鯉」「虚無僧」ほか共通の主人公による9つの短篇群。『往還の記』『式子内親王・永福門院』等、日本の古典を材に優れた評論を持つ著者の『儀式』『鶴』に続く代表的名篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

43
簡潔な文章でかくも深き情感を醸すことができるとは。穏やかさの中に潜んだ凄味は、さながら剣豪のよう。著者は故向田邦子と同年。向田氏は生前、「竹西のものは全て読みたい」との言葉を遺しています。敬意と脅威の表れと見ました。2015/11/16

ふくしんづけ

11
子どもの視点で、的確に時代を切り取った短編集。読むと、時代は知らぬのに、普遍の子どもが自分のうちに蘇ってくる。知らぬことを読んでいるのに、たしかに自分の手触りとして、思いだされてくる。個人的な記憶と、もっと大きなものの記憶、その邂逅だろうか。細やかで瑞々しい子どもの感覚。「兵隊宿」は将校たちの存在が思ったより淡かったけども、最後の〈検閲済〉に描かれないその後が濃く。「猫車」の終わりが、あのような形であったことに胸苦しさを覚える。2023/01/20

ソングライン

3
戦前の地方都市に暮らす小学生の男の子が中学生に成長していく様子がまとめられた短編集です。子供が次第に知る人生の悲しみや切なさが静謐な文章で見事に描かれます。2017/05/21

瀬希瑞 世季子

2
物語全体を貫く不穏な感じがいい。少年の日常は外部からの侵入に晒され続けている。2023/08/30

algon

1
著者2冊目。おそらく著者と同年代の男の子を主人公にした戦中の物語。まだ戦争を意識していない少年期から時代に圧迫される中学生時代までのエピソードを綴った短編集。淡白な叙述が続く本だがそれだけに表題作「兵隊宿」では将校の心持ち、気配りには胸に熱く迫られる思いがした。その将校達の思いと淡い交わりに馬の画で報いようとする少年の思いが切なく、他人との交流の中で悲しみを初めて見出した少年の成長が描かれた地味だが明らかな反戦の名作と感じた。2017/07/28

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