角川文庫<br> 斜光

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角川文庫
斜光

  • 著者名:泡坂妻夫
  • 価格 ¥528(本体¥480)
  • KADOKAWA(2014/08発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041461082

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内容説明

写真館主夕城香留の縁談相手は、華丘弥宵といい、新橋の老舗呉服商の妹で、初婚、香留より七つ若い三十八歳ということだった。写真の中の弥宵に男の影を感じとった香留だったが、見合いの席で弥宵のはかなげな美しさに魅せられてしまう。そんなある夏の朝、温泉町で腐乱屍体が発見された。捜査の結果、被害者が新進政治家の父親で、漁色家だったことが浮かび上る。香留が弥宵に抱いた影は、結婚後も妖しく膨んで行き、因縁に絡めとられた男と女たちを、崩壊の隘路へと駆り立てる――。

カバーイラスト/三嶋 典東

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kagetrasama-aoi(葵・橘)

26
東京の千坂通りの趣きのある写真館の主人夕城香留とその後妻の弥宵の恋愛を主軸にした話と山梨県石和町で起きた殺人事件の話の二つが交互に語られる構成。いつ交わるのかドキドキしながら読みました。泡坂氏やはり期待を裏切らない面さ!弥宵の実家が呉服屋で、泡坂氏の呉服の蘊蓄(紋章上絵師ですから)もお流石です、楽しく読みました。香留・弥宵夫妻の官能描写はちょっとクドイかなって思ったんですが、意味があったんですね、納得です。土地に纏わるタブーとか言回しとかちりばめられたピースが綺麗に収まり、すっきりした読後感味わえました。2020/07/29

真理そら

25
コインを使った簡単な乱数表もどきや日の数え方の変遷などを使った謎解き部分と4人の男女を巡る近親相姦まで含む色っぽい展開(だけれどかなり純粋な愛の追究)部分が噛み合わないようで噛み合ってしまうのが不思議だ。父親が地味にブ男で母親が美人という両親に美しい子供が生まれた場合、子供は母親に似ているのではないだろうかと思ったりした。2019/04/12

烟々羅

17
再読なのは間違いない、それぞれの文章に読んだという記憶は思い起こされるが、まったく先を思い出さないままに最後まで読み終えた。 平成7年の初版で定価が500円のものを古本で500円のタグが付いている。すると希少本になってから私が手に入れたということだろうが、入手の経緯も思い出せない。→ここから先を本の内容などで書き換えるかもしれないが、今はここまで。ただ泡坂さんらしい長編で満足したとだけ書いておこう。2013/10/28

bluemint

13
再読だが全く内容を覚えていなかった。泡坂にしては地味なトリックだからか?地方都市の市長の父をめぐる殺人事件捜査と、その五年前の中年ではあるが新妻の秘密の物語が交互に描かれる。非常に濃厚な官能的な描写があるが、不思議と純粋さが残る。主人公たちが古風な世界で生きているからなのか。通常、伏線を置く部分は機械的で単調になりやすいが、泡坂の作品は本作を含め物語が面白く満足できた。2021/02/01

マリ

6
殺人事件と弥宵の過去や隠していることがどう繋がるのか楽しみながら読めた。そして今までの泡坂さんの小説でも官能の要素はあったけれどここまで極めてあるのにどきどきした。2つの微妙にすれ違い、少し重なっている物語が最後に合わさっていくのが見事でした。2013/04/28

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