内容説明
常に現在を超えインターナショナルであり続けること。強靱な思考とダイナミックな論理の滲透力――そして何よりも明晰・華麗なレトリック。忌憚のない鋭い批評ゆえに同時代に敬遠された文学者花田清輝が、時間の流れの雲間から、今再び輝き出す。血と暴力を象徴する“修羅”を転倒し、“もう一つ”の言葉の“修羅”の世界を開示する知的快感溢れる力業!
目次
「慷概談」の流行
公家的なものと武家的なもの
維新の暗殺者
ユーモリストの眼
幕末太陽族
日本人の感情表現
怒りとはにかみ
スパイ礼讃
現代史の時代区分
風景について
為朝図
犬夷評判記
『廿四孝』をめぐって
もう一つの修羅
『平家物語』の思想
ものぐさ太郎
御伽草子
役の行者
モラリストとはなにか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
6
収められたエッセイのタイトルを一望して、「幕末太陽族」に瞠目したが、そちらは実は期待はずれ(笑)。それより度肝を抜かれたというか呆気にとられたのが「ものぐさ太郎」。あの誰もが知っている御伽話を紹介するようでいながら、終盤はてんで違う方向に話が飛びながらも、しかし最後は作者が寝転ぶ方を選ぶという話に落ち着く。「なんじゃそりゃ?」と思いながらも、一応「ものぐさ太郎」というテーマには沿っているわけで、またもや煙に巻かれたような、作者にしてやられたような気持ちになるが、それがまた妙に癖になるのだから、質が悪い。2026/02/24
ヤマニシ
1
「そこでは、それまでに漠然とわたしのいだいていた、集団のなかにおかれないかぎり、自他ともに、人間の正体など、永遠にわかるものではない、といったような理論を、あらためて確認したにとどまる。」(p96-97)2025/12/14
ミスター
0
よく言えば落ち着いた文章だが、悪くいうと『復興期の精神』にあった荒々しさは無くなって、当時の回顧などをしている老いたあとのテキストだろう。花田清輝はナショナリズム=一国主義的な敗戦の特権化を批判して、インターナショナルな中国革命を中心に据える見方を推奨している。花田はたしか北一輝を評価していたと思うが、ここで描かれている榎本の姿は妙に北一輝、というか2.26事件とかぶるところがあるが、どうだろうか。2020/07/06
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