内容説明
常に現在を超えインターナショナルであり続けること。強靱な思考とダイナミックな論理の滲透力――そして何よりも明晰・華麗なレトリック。忌憚のない鋭い批評ゆえに同時代に敬遠された文学者花田清輝が、時間の流れの雲間から、今再び輝き出す。血と暴力を象徴する“修羅”を転倒し、“もう一つ”の言葉の“修羅”の世界を開示する知的快感溢れる力業!
目次
「慷概談」の流行
公家的なものと武家的なもの
維新の暗殺者
ユーモリストの眼
幕末太陽族
日本人の感情表現
怒りとはにかみ
スパイ礼讃
現代史の時代区分
風景について
為朝図
犬夷評判記
『廿四孝』をめぐって
もう一つの修羅
『平家物語』の思想
ものぐさ太郎
御伽草子
役の行者
モラリストとはなにか