内容説明
小池真理子さんは1990年春、長年住み慣れた東京をはなれ、長野県の軽井沢町に引越しました。小池さんは、まずクルマの運転免許を取得しました。もちろん必要に応じてのことでしたが、あちらこちらと高原の町を走り回るうち、新しい視界がひらけて来るようだったと言っています。この本には、小池さんが喧噪の中で書き続けた、恋愛や友情やお酒や猫についてのたくさんのエッセイが収められています。心やさしく生きることの難しさと大切さを、この本は語っているのかもしれません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
21
1987年から1990年に掛けて雑誌に連載されたエッセイを中心に収録した『猫を抱いて長電話』。あまりにもたわいのない内容は、三十代という小池真理子の年齢(と、小説家デビューしてわずか数年)がそうさせているというよりかは、タイトルが示す通り、飼い猫を抱きながら気の合う友人に長電話で話すような内容をあえて目指したと好意的に捉えたい。とはいえ、現在のジェンダー概念からすればアウトな視点もあったりして、作家としても発展途上で、なおかつ大らかな時代性も考慮しての読書を心がけた方がいい。(つづく)2020/08/25
じんぎすたん
1
小池さんは小説しか読んだことなかったけど、想定外にユーモラスだった。主に90年代に書かれたエッセイだけど、今読んでも恐ろしいほどに違和感ない。なんだか日本って停滞しているんだなぁ、と暗澹とした気分に。「快楽というのは(中略)生身な自分を何の抑圧もなく表現するということ」「ホテルには日常がない。生活がない。(中略)これを晴れがまさかと呼ばずして何と呼ぼう」って良いなぁ。あと架空の「信州のおばあちゃん」は面白いなぁ!私も良くも悪くも都会っ子なので、田舎のおばあちゃんを妄想してみようかな。2022/10/18
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