内容説明
歴史のなかでいつが面白いかといえば、それはもう時代の変わり目、つまり乱世である。既成の勢力や政権が力を失って新勢力に取って代わられるそのせめぎ合いのなかに、新勢力のスターが誕生して、旧勢力と攻防戦をくり返す。乱世の雄もあれば、次の時代の覇者となる者も出現して、歴史を彩ることになる。本書では、南北朝時代の裏表を説きほぐした。混乱期のなかに、日本人の“原型”が浮かびあがってくるだろう(著者のことば)。
目次
プロローグ 分裂の時代・中世
1章 日本になぜ武士が生まれたのか―関東の侍と関西の悪党
2章 貴族は“土地”で崩壊した―中世の経済事情
3章 後醍醐天皇の謀反を支えたもの―宋学の理論と密教の秘密
4章 戦の天才・楠木正成―情報力と経済力の秘密
5章 建武中興・失敗の本質―早すぎた後醍醐天皇の革命
6章 足利尊氏・裏切りの真相―なぜ世論が支持したのか
7章 敗者たちの最期―南朝の悲劇のはじまり