ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 暗闇にひと突き

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ハヤカワ・ミステリ文庫
暗闇にひと突き

  • ISBN:9784150774523

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内容説明

九年前の連続婦女刺殺を告白した男が、ただ一件犯行を否認したある若妻殺し。捜査の再開も期待できず、被害者の父親は真犯人を探すようスカダーに依頼した。埋もれた過去を追って、裸の街ニューヨークをさまようアル中探偵スカダーが、困難な調査の末に暴いた驚くべき真相とは?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

62
連続殺人犯をテーマに扱いながら敢えてブロックはそれを9年も前の事件にしてある女性の過去の殺人の真相を探るモチーフとして扱うだけに留める。なんとも地味に物語を展開させるものだ。しかしそれはスカダーに自分の過去と否が応にも対峙させる。彼の持つペシミズムは皆が持つ過去の疵にしみいるように響く。一つ間違えれば自分もまた彼のような境遇に落ちていたのかもしれないと思うからだろうか。正しいことをすることは何かを捨てる事なのだと作者はスカダーを通して我々に示しているようだ。再び酒を飲む彼に訪れる安寧はまだまだ先のようだ。2014/06/02

ずっきん

50
ここから「八百万の死にざま」に繋がるのか。破滅の階段を昇っていく危ういスカダー。ひとつのピークへと登る緊張感がずっしりと重い。もう書けないかもと言ってた作者の思いが漸くわかったような気がする。「八百万~」からシリーズを読んでいるが、「倒錯三部作」に進む前に、これは押さえておいた方がよいと読友さんからのアドバイス。本当に持つべきものは読書友達!ありがたいです(*T^T)2018/06/07

くたくた

42
成り行きで読み始めて、読了。スカダー、良いですね。呑んで歩いて呑んで考えて呑んで寝て、また呑む。絶対アル中だと思う。なのにこのダンディズム!最後は女を手放し、また呑むのだ。2018/06/22

ぺぱごじら

20
マット・スカダーシリーズ4作目。20年以上ぶりの再読。警官時代のとある悲劇で(誰も責任は問わず、表彰まで受けたのに)退職、家族と縁を切り安ホテルで暮らす。私立探偵免許をもたず『友人にちょっとした便宜を図る』ことで生計を立てる。身なりは気遣うが、昼間からコーヒーにバーボンを垂らして飲む。アル中脱出を支援するAA集会には出ないが、教会で蝋燭を立てる。あらゆる場面で自らを『保留』しながら『便宜』にはのめり込む。『逃げることは誰にもできないよ、ただ捕まらないだけさ』自首を勧める説得が自嘲に見えた。2013-602013/04/29

おくちゃん

16
再読。前回読んだのは一年くらいまえ。ここ一年、北欧初めヨーロッバの警察小説を読んでましたが、突然マットスタガーを再読したくなった。「俺はいつでも酒を止められるからアル中ではない。」なって言っているスタガーが悲しい。800万の死にざまも再読しようと思う。2020/09/13

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