ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 証拠

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ハヤカワ・ミステリ文庫
証拠

  • ISBN:9784150707231

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内容説明

〔競馬シリーズ〕酒屋を営むビーチは、あるレストランで偽のラベルで売られている酒を発見した。利き酒の能力と知識を買われ、警察の捜査に協力するうち、ビーチは巨大な陰謀の渦に巻き込まれていった! 酒の世界を舞台に、謙虚な勇気と該博な知識を武器に闘う男の孤独な姿を描く、極上の味わいのサスペンス!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

スター

47
 競馬シリーズの一作。日本で発売されたのは、これが23番目。日本で最初に出版された「興奮」ほどではないが、この作品も良かった。  シリーズといっても、一部の作品を除き毎回主人公が代わる読み切り作品。著者が元騎手なので、どの作品も、競馬界が舞台になってる。  本作の主人公はワイン商で、利き酒の能力を買われ警察の捜査に協力するうち陰謀に巻きこまれるという展開。2020/04/19

bookkeeper

44
★★★★☆ 再読。主人公はワイン商。偽酒販売を巡る事件の謎に挑む。って"競馬"とあんまり関係無いけどそれも良いだろう(ぺこぱ風)。  最愛の妻に先立たれ、その遠因は自分にあったのではないかと悩む。軍人だった父の様な勇気を受け継げなかった事を悲しむ。人前ではそんな素振りを見せずに淡々と生きる主人公が、命がけの試練の中で再生していく姿が感動的です。極地でも戦時中でもないけど、まさに冒険小説。競馬場の倉庫やクライマックスのワイン貯蔵庫は凄く緊張します。さりげなくて枯れた文章は、熟成した銘酒のごとき味わいです。2021/01/07

背番号10@せばてん。

35
1993年9月10日読了。競馬シリーズ第23弾。ディック・フランシス、2010年永眠。自分に多大なる影響を与えてくれた、巨星に心より合掌。(2022年2月18日入力)1993/09/10

本の蟲

17
有名翻訳ミステリ〈競馬シリーズ〉23作目。シリーズと言っても馬以外に、鉱山事業、映画、絵画に写真、プログラミング等扱うテーマは様々で、作者の取材力に毎度感心する。今回のお題は酒。軍人だった父と違い勇気がないと嘆いているワイン商の主人公は、最近妻を亡くして傷心中。彼に持ち込まれた相談事「バーで出される酒の銘柄詐欺」「輸送中の酒の盗難」二つの犯罪はやがて一本の線でつながり…。あらすじとは全く無関係だが、伊坂幸太郎作品のグッとくる名台詞「勇気は彼女(妻)が預かってる。僕がなくしたりしないように」をふと思い出した2025/12/21

たこやき

14
酒のスペシャリストでありながら、自分自身に対する自信が持てない主人公トニイの心情描写が何とも良い味を出している。誰にも真似のできない技術を持っているが、障害騎手だった父のような勇気が持てない……。著者の作品は「強い」主人公という印象があるが、こういう悩める主人公も魅力的。最後の手記を見るシーンはとても感動的。その一方で、酒についての薀蓄。スペシャリストでなければ、そうそうラベルと中身が違っていてもわからない。そういう辺りは現在でも十分に通用するもの。競馬との関連性はあまりないが、凄くバランスの良い一作2013/06/05

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