内容説明
老若男女を問わず、放蕩者と呼ばれる者にのみ、この作品が捧げられる。この作品の教えによって、われわれの精神を養い、それにつれて情欲も生き生きとするだろう。情欲の源こそ、幸福にみちびいてくれる唯一のものなのだから。辛らつな対話体で、若い娘に快楽と悪徳の本質を説き、またサドの反社会性の哲学が最も攻撃的、論戦的な形で露呈された希有な著作である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kiwi
1
道徳なんてくそくらえって話。殺人が犯罪なら死刑は余計に罪を重ねる事では?って意見は否定出来ない。2016/06/26
ashigaru99
1
乱交シーンなどが大分割愛されているとあとがきに書いてある。ドルマンセが思想を披瀝する部分とかが長かったりやや退屈。サドってすげえなあって面白さはある。2011/04/08
しおん
0
性描写の少なさを訝しみつつ読んでいたが、抄訳だったのか! 論理と詭弁とが混淆するサド哲学の奇妙な説得力。ツッコミどころは無論枚挙にいとまがないのだが、対話篇であることを意識してみると、こんなに滔々と説かれ続けていたらその気になっちゃうかもなあとも思う。この点一段敷衍すると、サドの論理にはいつも声が付与されているという不思議な特徴に突き当たる。長大な台詞、音読、お馴染み「読者諸氏」への呼び掛け。無感動を旨としながら身体と感性に常に働きかけられている。なぜ美徳は「自然の声」と喩えられたのだろう。気になる。2025/09/28




