内容説明
明治30年に生まれ、平成8年に98歳で亡くなった著者の情熱的な生き方を綴ったエッセイ。「私は不幸に対してはなかなか凹まない自信がある……」という。どんなところからでも自分流の幸福を見つけているからだろう。「愉しく老いる」「私のお化粧人生史」「女のこころ模様」などといった目次が並ぶ。恋愛も失恋もそして別れも赤裸々に書かれている。挫折も不幸も何もかもを楽しみに変えてしまう著者の生き方そのものが「幸福を知る」ことなのだ。
目次
幸福を知る才能
愉しく老いる
私のお化粧人生史
結婚の風景
女のこころ模様
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
121
う〜ん、なんて'タフ'な方なんでしょう。タイトルの「幸福」を知る'才能'は著者さんには正直、必要のないものかもしれません。とにかく自分を信じ、自分を愛してやまない著者さんの生きざまは天晴れとしかいいようがありません。今よりも比べ物にならないくらい女性蔑視だったと思われる時代にこんな'タフ'な生き方を貫いていたなんて、ひたすら驚愕します。どんなトキでも自分を見失わず、前に向かって進むポジティブさは無敵の武器ですね。「なんとかなるさ」「なんとかしなきゃ」精神か終始一貫されており、自分の振舞いも見直しました。2020/07/01
うちこ
6
宇野千代さんの本は自己啓発書を読むような感覚で読んできたのだけど、「おはん」「色ざんげ」の二冊を読んでからはガラリと見かたが変わりました。この人はまぎれもなく天才小説家。エッセイや生きかたは壮絶すぎる外伝でしかないのだということがわかり、おそろしくなりました。 小説ではほんとうは男性なんじゃないかと思わずにいられないくらいなのに、エッセイの文章は別人格かのように乙女でかわいい。それがまたおもしろい。宇野千代さんがおそろしいのは、日常は女のコスプレをしているとしか思えないところ。この人、なんなの…。2019/08/13
リカステ
6
私の性格とは合わない部分もある。強い女性なんだなあ、と。結婚についての教訓的なあたりは面白く読んだ。2017/01/03
カエ
4
本棚整理で再読。前に読んだのは大学生の頃かな?宇野千代さんの、自分の未来への覚悟、腹のくくり方に惚れ惚れし、そして小説を読んでるような「恋多き女」っぷりに憧れる。いくつになっても女、でもって粋でカッコいい、そんな年のとり方が本当に素敵だ。2017/03/12
咲菜
4
初めて読んだ宇野千代さんのエッセイ。とても面白く、人生についても考えさせられました。真の勇気を持った若者の話に感動しました。ポジティブ思考が人生を豊かにしてくれると感じました。2014/02/28