ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 八百万の死にざま

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ハヤカワ・ミステリ文庫
八百万の死にざま

  • ISBN:9784150774516

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内容説明

足を洗った直後に惨殺されたコールガールのキム。アル中探偵スカダーはヒモのチャンスが殺したと確信したが、彼には確固たるアリバイがあった……感傷と虚無の街ニューヨークを舞台に、スカダーの執念の捜査を描く哀感漂うハードボイルド。アメリカ私立探偵作家クラブ賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

96
アル中探偵マット・スカダーのミステリ。文体のテンポがよく、疲れていても安心して 読める。ただ、謎解きの楽しみは 全くないが…キムというコールガールが殺されたその背景なども、もっとふくらませた方がおもしろかっただろうに、とも思う。

セウテス

77
スカダーシリーズ第5弾。売春で生計を立てている女性から、仕事を辞めたいのでグループを仕切っている男チャンスとの間に入ってほしいと依頼がくる。チャンスに会ってみると、辞めるのは自由だと言うのだが、数日後依頼の女性は殺されてしまう。チャンスを疑うスカダーではあったが、そんな時チャンスから犯人を捜して欲しいと依頼される。タイトルの八百万とは、当時のニューヨークの人口の事であり、街の社会的問題を描きながらも、田舎から夢を抱いて来る人たちの歓びと悲哀を感じずにはいられない。ハードボイルドながら、シットリとしている。2017/09/29

ずっきん

55
アル中から抜け出そうとする探偵マット・スカダー。ハードボイルドなのかな?硬質な筆致で綴られる30年前のNYの危うさと魅力、そこで生きる人々の息づかいや匂いまで感じる描写や会話に引き込まれる。登場人物がスカダー、チャンスを筆頭に皆魅力溢れまくり。そしてスカダーの最後の台詞と一行を読むために496ページがあるといっても過言じゃない。映画化でジェフ・ブリッジスとリーアム・ニーソンが演じたということはスカダーはアイリッシュですか?元NYPDでアル中のアイリッシュ?ツボど真ん中!続投決定です。2018/05/03

つねじろう

54
マンハッタンの安ホテルそれがマットの住処。元腕っこきの警官で自分が放った流れ弾で少女を死なせた過去を持つアル中。もちろん家庭も崩壊。お酒と生活の為のもぐりの探偵。ね〜背負ってるよね〜。そこへ訪ねてくるブロンドで脚の長いセクシーボイスの別嬪キム。彼女は言うヒモと切れたいと。ほらほら気分出て来たでしょ?でまたこのヒモのチャンスが格好良いのよ。登場人物一人一人の造形に手抜きがなくニューヨークの街並みと共にしっかり映像として飛び込んで来る。ミステリアスさは無いけれど最後のマットの姿に泣くよ。完成度の高い一品です。2017/02/23

Kajitt22

52
ここ数年、家飲みで酒量が増えている身には刺さった。断酒と戦う孤独な探偵マット・スカダー。マットが眺める一杯の琥珀色のバーボンの描写からは、甘い匂いがたちのぼり、喉を通って落ちていく熱い液体さえ想像できる。汚れた街ニューヨークの夜も魅力的に思わせる。後半、マットの粘り強さがアメリカ移民社会の闇を浮かび上がらせる。再読。2023/03/01

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