内容説明
訣(わか)れるために出会いがあるのか。人生を素直に進みたくない“待つ女”靖子の前に、俯いた表情の駒田が佇んだ。秘めやかな互いの仕草に大人同士の恋が香る。結末を識りながら確かめる辛い甘言。名作「雨やどり」につづく絹雲のようにからみつき離れていく、男と女の関係をつづる表題作と辛口恋情ロマンの短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみえ
11
渋いわ。自分もいい歳だけど、昭和のおやじ達がカッコいいぞ。女に振り回され結局貧乏クジだけど、惚れた潔さもよろしい。スマートじゃないところが半村さんかなぁ。2018/09/26
ヤジ
1
雨宿りと間違えて購入した本です。大人の男と大人の女の哀しい恋の物語。2024/02/07
gotomoon18
0
バブル時代の恋情小説。今は、良くも悪くも時代は移り変わって....ずいぶん前のなつかしい感じに慕れる.........♪ 2015/06/19
CEJZ_
0
1P15行。元の本は1985年刊。短編集。半村良の作品をいつか読んでみたいと思っていた。直木賞受賞作「雨やどり」の本も持っているが、どこへやったか見つからない。雨に関連して、似たようなイメージを持つ今作を読む。男と女、酒場、秘めた関係、昭和。昭和の頃の40代や50代の男といったら、今よりもかなりの年配者だろう。60代なら完全に老人のイメージだ。「忘れ傘」は昭和61年に東芝日曜劇場で、藤岡琢也主演でドラマ放送されたのか。いつかまた半村良のSF伝奇小説なども読んでみたい。解説は藤岡琢也。2024/12/08