内容説明
シナリオ作家の矢柴研一は、画家・木原登の描いた一枚の絵に、遠く記憶の底に眠っていた何かを揺さぶられた。彼は閉ざされた過去を求めて、富山県の五箇山へ……。そこで三十数年前に首桶村で起きた惨劇の輪郭が浮かぶ。だが、真相に迫る矢柴の周りに不可解な死が連続して発生、彼の身にも……! ハード・サスペンス推理の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
54
主人公がたまたま出会った一枚の絵。彼はその絵と己の過去に繋がりを感じ、富山県五箇山を訪れる。ただ絵を探るうちに彼の周囲では不可解な死が連続して…。というストーリーで過去の悲劇が現在の事件に直結するのは非常に好み。押しらむは主人公が取り憑かれたように事件を探る動機付けが弱い所くらいかな。それでも閉ざされた村で過去何があったかが一歩一歩明らかになっていく部分は、足の探偵の面目躍如で読み応えがある。真相も予想の範囲内ではあるけど、人間関係が入り組んでいてはっとさせられたし。目立たない良作でありました。2025/04/18
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