内容説明
貧乏なオレは考える。ラクに金を手に入れたい。だが犯罪となると、もとではかかるし、危険がいっぱい。ある日絶好のチャンスがきた。大金持ちの老女が猫を溺愛してるという。早速猫を誘拐したら彼女はあっさり百万円出したものだ。ところが、展開は意外! 名手のショートショート36編収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
86
面白かったです。奇妙でブラックな味全開のショートショートです。オチが怖いものが多い気がしました。落とし方が上手いのでしょうね。サクサク読めるのですが、軽いノリで読んでいると思いもよらない所に行き着いているような気がします。でもそんな展開が好きです。2018/03/09
優希
51
ショートショート集ですが、奇妙でブラックな展開が広がっています。落とし方がブラックで奇妙なので、怖さを感じるのが多い気がしました。軽く読んでいると思いもよらないところへ落ちているのですよね。そんな展開が好きですが。2021/07/23
ノイス
9
それぞれの終わり方にそれほど意外性は無いにしても、作品の多くに対となる要素や鍵となる描写があり、掌編の内にしっかりとした関係性でもって話を締めているのが小気味よい。ショート・ショートというと意外性や諧謔性・メッセージ性といった印象深さを期待されるのが普通だが、ミステリ的な話のまとめ方はうまいと思った。こういう意味では、意外な終わり方をしていると言えるかもしれない。2016/01/02
ウィン
9
阿刀田高のショートショート集。SF作家ではないだけあって、SF色は薄い。また、「奇妙な味」と呼ばれるジャンルの作品を得意とするだけあって、そういった色彩が強くなっている。さらに阿刀田高氏の作品によく見られるブラックさも所々に垣間見られる。ショートショートなのであまり多くを語ることは出来ないのだが、強いて言及するとすれば表題作の「猫の事件」だろうか。お金欲しさに金持ちの夫人から猫を盗んだ主人公。身代金の受け渡しも成功し、犯罪は完全に成功したと思えたが……という話。この他愛もない感じが好きだなあ。2010/11/18
LaVieHeart
7
ラストがモヤっとしたり「あー。。。」となったりする系のショートショート36編。1987年刊行との事で、なかなかに昭和の香りがプンプンする。「昼食代が社員食堂で食べて300円前後。タバコ代が200円。」羨ましい時代である(笑) これがSFとかなら純粋に笑って「面白い!」と思えるのだろうけど、なまじ近い時代の話なだけに空恐ろしく、ゾワゾワしてしまう。 最後の3行位で急に恐ろしいオチがくるのは、今風に言えば「どんでん返し」だろうか。「美しいお姫様の冒険」「風邪とサラリーマン」「形見」のオチが特に秀逸と感じた。2024/11/26
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