内容説明
「活字離れ」「文学の危機」が叫ばれている反面、『窓ぎわのトットちゃん』や『気くばりのすすめ』という大ヒットが生まれる。どうしてなのだろう。実作者でもあり、小説を信じる著者が、「ベストセラー」という社会現象を見すえ、快刀乱麻、現代という時代と社会を鮮やかに切る。『文学の輪郭』に続く長編評論。(講談社文庫)
目次
序章 現代は活字離れの時代か
第1章 知的中流階級の形成
第2章 知識人の系譜
第3章 新しい知識階層の肖像
第4章 読者の時代
第5章 下部構造の成立
第6章 差別されたベストセラー
第7章 スキャンダルの構図
第8章 幻影のスキャンダル
第9章 儀式としてのスキャンダル
第10章 幻想のフィードバック機構
第11章 マスメディアの迷い
終章 転換期のなかで