内容説明
昭和二十年三月十日、空襲の劫火をくぐりぬけた戦災孤児の健は、いつしかすべてをなめつくす美しい炎の妖しい魅力にとり憑かれていた……。戦争の傷痕を背負った人間の哀しみと異常な心理を描く表題作、夜になると家族が次々に箪笥に上って座りこむ、能登の民話にヒントを得た奇譚「箪笥」ほか、摩訶不思議な世界への扉を開く異色短篇「白鳥の湖」「森の妹」「ちゃあちゃんの木」「逃げる」「散歩道の記憶」を収録。自らの体験を背景に据えて、短篇の名手が紡ぐ妖(あやか)しの世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tama
8
図書館本 1974年初版河出書房版ハードカバー 私が就職した年 まだ半村さん知らなかったなあ。星小松筒井ブラドベリまでだった。裏表紙の見返しに貸出票が一枚だけ貼ってあり76年に3回だけ貸出記録、直木賞前。終戦間近・直後が背景の作品多く、その後の作品の先駆けかも。書名の炎の陰画はサイコミステリーじみて凄みあるが、走り出しからが長いのでどこへ行きたいんだと思ったり。逃げるは当時の筒井の影響でもあったのかそれとも逆か。ちょっと違和感感じながら読了。2019/11/23
dzuka
2
SF物ではない短編集。 好きな作家なのだが、「森の妹」以外はあまりページが進まなかった。 「森の妹」はこの作家の後々の作品のヒントにもなるような話で、謎めいた美女の存在が際立っていたし、その兄と主人公の交流もなかなか味があった。2017/12/29
りょうけん
1
☆4つ この本、なぜか電子書籍化されてKindleで販売されている。読書コミュ(読メとかブクログ)に登録するために検索して解った。(実際に読んだのは1980年代発行の神の文庫本です。すまぬ) 半村良の作品はかなりの数が過去に出版されていて、その中からどうしてこの作品がKindleなんだろうか、と少し思った。 その理由だかどうだかは想像の域を出ないが、この本はかなり面白いのだなぁと読んでみて思う。しかも、もう30年を超える昔に書かれた作品なのに今読んでもわたしには充分に面白い。いや、それはわたしがたぶん変わ2013/10/04
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