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内容説明
死んだ人の住む地底の暗い森。生きている人から死んだ人への思いを運んでゆく白いおうむ。少女は偶然その森に入りこんだのだが……。表題作「白いおうむの森」ほか「雪窓」「鶴の家」「長い灰色のスカート」など、人と人との出会い、そして別れ。その喜びと悲しみを美しい筆致で描いた童話七篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
(C17H26O4)
72
ボタンホールから何か聞こえてきたらいいのに。昨日ボタンホールを作っていてふと、野原の音が聞こえる特別なボタン穴の出てくる話『野の音』を思い出してこの本を読む。これまで何度読んだだろう。安房直子の他の多くの作品同様、全編に共通するのは切実な思い。大切な者を思う気持ちが此岸と彼岸との回路をつくり繋ぐ。深い思いはかなしくて美しくてときに怖くもある。安房作品の死別した者との交流譚には、解説で天沢退二郎が云う「酬われた」感じがあり、そのどこか「にぶい痛み」「にぶい悲しさ」にいつも惹きつけられてしまう。2023/01/22
双海(ふたみ)
19
死んだ人の住む地底の暗い森。生きている人から死んだ人への思いを運んでゆく白いおうむ。少女は偶然その森に入りこんだのだが…。表題作「白いおうむの森」ほか「雪窓」「鶴の家」「長い灰色のスカート」など、人と人との出会い、そして別れ。その喜びと悲しみを美しい筆致で描いた童話7篇を収録。 (カバーより)2015/03/05
mnr
1
小学校の教室にあって、ずっと記憶に残っていた本。タイトルがどうしても思い出せずにずっと探していたけど、安房直子さんを辿っていたらようやく見つけた。わたしよっぽどこの人の作品が好きなんだな。 赤星亮衛さんの絵が不気味で不気味で、この不穏な世界観にベストマッチしている。ミーという猫の話、おでんの屋台の話、強烈に覚えている。うれしい。2023/05/18
miho
0
ちょっと怖い話もあった気がする。
mnr
0
昔読んでずっと忘れられなかった本。どうしてもまた読みたくて、人に内容を話したり、キーワードで検索したりしたけれど、手がかりすらつかめなかった。安房直子さんの他の作品で好きなものがあり、世界観に触れたくて調べていたところ、この作品にたどり着いた。淡く仄暗くきれいでやさしく切なく不気味。昨日のことのように思い出せる。読んだそばから頭から消えていく本もあれば、このようにずっと頭に留まる本もある。良書というものは数多あれど、私にとっての良書はこういう本なのかもな。映像が頭に浮かぶようでわくわくする。2023/06/03