内容説明
“人影が闇にぼうっと浮き上がった。美空であった。人間離れした薄い笑みのようなものが、その紅い口元に浮いていた”…大ベストセラー『魔獣狩り』のスーパー・ヒーロー美空が、封印された密教の行法“外法炉”をめぐって活躍する「夜叉の牙」をはじめ、傑作揃いの著者自選短編集!
目次
夜叉の牙<br/>夢蜉蝣<br/>精神ダイビング<br/>ことろの首<br/>木星の人<br/>山を生んだ男<br/>傀儡師
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KASAO
9
七篇で構成された著者の自選短編集。おどろおどろしさ、幻想性、エロス、バトル、それぞれの物語を形作る要素は違うけど全体的にすっきりと構成されていて読みやすかった。(二話目はよく分からなかったけど)。一番は『山を生んだ男』。山男と山との戦いを描いた物語だけど、落ちを読んで目から鱗が落ちた。フォッサ・マグナを持ち出すなんて……その発想はなかった。2016/06/06
しんのすけ
1
この作者の本は初めて読んだ。不思議な世界だった。サスペンス的なものから古代インドの話まで、ちょっとつかみどころのないような内容だった。2024/06/30
wang
1
暴力と呪術、一部グロ。洋風な魔術ではなく和風なあるいは仏教に起源があるような霊的な力による奇怪な現象が描かれる。ただしっかり原因と結果があり背景が説明され見所があるなどきちんと構築された物語は二編だけで、あとは曖昧でスッキリしない結末だったりもする。キマイラ的な美空シリーズの「夜叉の牙」がまとまりがあって好き。「山を生んだ男」も昔話的で面白い。「傀儡師」はインド舞台でアクションも多い。1行が短いアクション描写が続くのであっという間にページが進む。2014/07/05