内容説明
東亜工大半導体研究所と芙蓉電機は太陽エネルギーの画期的商品化に成功した。ところが、プロジェクトの中心的存在だった東亜工大・青柳教授が変死をとげた!? 情報誌記者・水原純三は、真相を探りつつ、保守党の片浪幹事長の密命を受け、他社メーカーへの売り込み工作に乗り出す……! 詳細なデータで描く長編情報小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gilzer
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★★★★☆30年以上前に出版された作品。確か20年以上前に読んだことがある。突然、この作品のことを思い出して無性に読みたくなり、何日も掛けてやっとタイトルを思い出し手に入れた。太陽エネルギーが次世代を担うとされ、その利権を巡って政治家とその周辺がせめぎ合う。その過程で何人も死者が出るサスペンス小説であるが、それだけでなく当時における日本の近未来の理想が投影されているのも興味深い。今となっては単なる理想で終わったものがある一方、原子力発電の危険性、特にメルトダウンに言及している箇所を読んだ時は背筋が凍った。2019/07/25