内容説明
指揮棒一本小脇に抱え、世界を股に大活躍している筆者がこれまでに会った音楽家たちの中から27人を選び、彼らとの心に残るふれあいをユーモラスなタッチで描いた交遊録。国電を止めろ! と怒ったスーパースター・カラヤン、遊びもパワフルなマエストロ・バーンスタイン、パンツ1枚になってリハーサルにはげんだ巨匠リヒテル、バラの花束と派手なパジャマで失恋をなぐさめてくれた親友・山本直純など、気高くて、野蛮で、優しくて、どこかおかしい天才たちがぞくぞく登場する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
薫風堂
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カラヤン、バーンスタイン、武満徹といった有名音楽家から楽団の裏方さんまで。指揮者である岩城氏の、あいかわらず軽快なリズムの文章のなかに、愛すべき人々の素顔がある。別に音楽に関心がなくても構わない。音楽家が主人公の短編小説みたく、それだけで十分に楽しめる。専門性の高い世界の人々の、その生き方も垣間みれる。どの話も味わい深いけど、とりわけ岩城氏が特別な存在というルービンシュタインの話が気に入った。物事をなんでも楽しそうに話そうとするマエストロ。顔も知らず、演奏も知らないアナタですが、なんだか好きになりました。2011/05/31