ちくま文庫<br> 熊撃ち

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ちくま文庫
熊撃ち

  • 著者名:吉村昭【著】
  • 価格 ¥605(本体¥550)
  • 筑摩書房(2015/08発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480020307

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内容説明

飢えに追いつめられて、つぎつぎと人を襲う熊。その熊をじっとねらう、村田銃をもった熊撃ちの名人。北海道千歳市では老婆や村娘が餌食となり、人々を震え上がらせていた。厳しい大自然を背景に、人間と熊が繰り広げる生きていくための闘い。大自然の中で生きる人々の緊迫感と、自らを厳しく律しながら深い山へと分け入って行く誇り高い猟師たちの個性あふれる姿、そして野性の猛獣と原生林の迫力を、乾いた筆致で生き生きと追う。実際におきた七つの事件と実在する八人の熊撃ちを題材に、孤独で忍耐強い彼らの生きざまを描く連作短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

164
北海道に生息する羆。人も獲物として襲う羆を撃つ猟師達の話し。吉村昭さんの作品なので本人達への取材による実話がベースです。本作を元に「羆嵐」が描かれたと言える。実話ならではの迫真さに息をのむ。主に村田銃で羆を撃つのだが、何と10メートルの至近距離まで引き寄せて撃つ。ライフルでは銃弾が貫通し殺傷力に欠ける。猟師達の胆力に感嘆する。羆に人が襲われるのも、羆の生息圏に人が住むことにもよると思う。悲しいジレンマも感じる。いずれにせよ、日本最大の野生動物である羆に立ち向かう猟師とアイヌ犬の様子が読ませる作品であった。2018/02/04

kinkin

99
過去に起きた7つの羆(うち1つは月の輪熊)による事件を 当事者、関係者に取材して書かれたもの。作品は殆どが北海道で起きた事件。 今も、羆や月の輪熊による事件が起きている。 北海道の羆は住宅地近くにも現れることがあるという。 そんな羆の駆除のため猟師の存在が必要だが 現代においては経験ある腕の良い猟師が減ってきている。 羆自体が人間を怖がらなくなっているという。 テリトリー、バーベキューの残り、様々な問題が複合。。子熊を駆除するのは可哀想という説もあるが野獣には間違いない。このあたりは冷静に対応すべき。 2024/04/05

ちょろこ

92
物哀しさが漂う一冊。実際におきた事件を題材にした羆撃ち名人七人の話。自然界の恐怖、羆の恐怖をまざまざと感じた。大自然とそこに生きる獣のとの闘いは人間のちっぽけさ弱さを改めて思い知らされる。闘い終われば全て良しというわけではない熊撃ちの心情…どの話も至るところに物哀しさが漂うのが印象的だった。2019/04/20

Shoji

75
著者が猟師から聞き取った実話である。 正真正銘のハードボイルドだ。 レジャーやゲームハンティングではない。 殺すか殺されるかである。 活字の行間からはヒグマを追う時やヒグマと対峙した時の息遣いが鮮明に聞こえてきた。 孤高な猟師の執念に崇高なものを感じた。2016/09/10

shizuka

70
殆どが北海道の凶暴な羆との対峙の中、一話のみ富山県山中の日本熊の話があった。命を賭して熊に立ち向かうのは一緒なのだが、羆と違って日本熊には愛嬌があり、また臆病な性質というのもあって緊迫感は少々薄まるのだが、読み手も緊張を強いられる話が続く中、箸休め的な効果もあり肩の力を抜いて楽しめた。タイトルが猟師の名前というのも正に名に恥じない仕事をしてきた表れのようで感銘を受けた。アイヌ犬の働きもよく書かれおりその賢さ勇敢さに舌を巻く。無名であった猟師達を地道に取材し、1冊の本にまとめ上げた吉村氏に感動も一入である。2018/04/14

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