講談社文庫<br> 傾く滝

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講談社文庫
傾く滝

  • 著者名:杉本苑子【著】
  • 価格 ¥832(本体¥757)
  • 講談社(2015/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061836181

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内容説明

大名題の家に生れ、類いまれな美貌で“江戸の華”と謳われた八代目団十郎。しかし彼は、肉親との葛藤に悩み、芝居町を弾圧するご政道に不安をつのらせ、ついに仇持ちの浪人宮永直樹への破滅的な愛にのめり込む。謎の死に至る団十郎の伝説的な生涯を、江戸歌舞伎を背景に描いた、初期の代表的長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ

49
移動中の読書~再読。歌舞伎は基本好みではない・・と言うか浸れるほどの時間とお金がないという困窮の為。だからかつては悔しさ紛れで読み物で。色々読んだが歌舞伎の小説なら、この1冊しかないと断言。読んだ時の衝撃が〇十年経ても絵柄となって焼き付いている・・8代目団十郎の白粉の香り迄。不倫が多い今日と異なり、歌舞伎が政道に背く科でお縄にもなりかねなかった時代。身内の柵の懊悩が重なり、破滅という紅蓮の炎に身を投じた”江戸の華”は悲劇だが杉村氏のペンはその悲劇すら芸術に昇華している傑作に思えた。2024/09/22

tkr

2
素晴らしかったです。歌舞伎のこと知らないけれども、まるでその世界のそばで見ているような気になるほどの臨場感がありつつ、あっさりとした展開と風情の美しい描写、そして綺麗なところ醜いところひっくるめての生々しい人間関係…杉本先生の鋭い洞察力に感服〜。愛憎が交錯してるけど、耽美になりすぎず、どろどろした世界のはずなのにどこかさっぱりしてる文体なので読みやすく、その中に歴史の深みが組み込まれているから読後感が凄い作品だった。団十郎!健気…駒三、重蔵、小菊、直樹はじめ多くの登場人物いたけどうまく絡み合って…凄い2023/06/29

ハツミ

2
再読。川へ身を投げた少年を助けた浪人・直樹。その少年は後の八代目団十郎、市川海老蔵だった。それが縁となり成田屋に学問の先生として迎えられた直樹に、海老蔵は想いを募らせて……って久しぶりに読んでも飛ばしている話だった。過去のある浪人×歌舞伎役者。団十郎はどう読んでもドMですありがとうございました(ありがたくないけど)。小菊ちゃんを巡る鞘当ては微笑ましかったのに、こっちも結末が悲しすぎるよなあ。直樹と団十郎は仕方がないとして、こっちは幸せになって欲しかった。2011/02/19

林芳

1
江戸歌舞伎の人間模様に興味を持ち手に取る。歌舞伎独特の世界(しきたりや言葉など)にも少しずつ理解が深まり、興味深く読むことが出来た。杉本苑子さんは少し前の作家さんというイメージがあるが、昔歴史小説が好きでよく読んでいたことを思い出した。そして歴史小説というのは古びないものなのだと実感した。今年は「べらぼう」からの江戸文化への興味が高まり、そういう系統の本を読むのが楽しい。2025/08/04

sorajiro1220

1
天保の改革があたえた歌舞伎への影響も描かれていて、とても興味深かったです。あと個人的に坂東玉三郎(しうか)がいい味を出していて、作中で一番好きでした。2014/06/20

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